「サラリーマンにおすすめの資産形成の一つとして、不動産投資が良いということを聞いたことがあるけど、実際はどうなんだろう?」
最近、安定した資産運用ができるという口コミから、サラリーマン界隈では不動産投資が人気になっているみたいです。安定して毎月家賃収入が得られたり、節税できたりなどサラリーマンにとって不動産投資は魅力的な面が多いのが人気の理由みたいですね。
しかし、不動産投資を始めたとしても、全ての人が成功できるわけではありません。不動産投資にはリスクやデメリットも当然あるため、正しい方法で投資していかないと失敗してしまい、借金に追われるケースもあります。
今回は、サラリーマンが不動産投資を始める際に押さえておくべきポイントを解説していきます。不動産投資について、正しい知識を身に付け、ぜひ不動産投資の成功確率を上げていきましょう!
本記事の内容
- 不動産投資を始めるために知っておくべき事
- 不動産投資のメリット & デメリット
- 不動産投資での失敗を防ぐコツ
✔ 本記事を書いた人
サラリーマンが不動産投資でカモにされないために
当たり前ですが、不動産投資とは不動産を購入して利益を得ることです。利益を得ることが目的である以上、損失を出してしまう不動産投資では、意味がありません。
しかし、残念なことに不動産投資は、全員が成功できるほど甘い世界ではありません。きちんと勉強して知識を身に付けておかないと、収益の出ない物件を購入し、あれよあれよという間に失敗してしまいます。
不動産投資は、収益が得られる物件を購入できさえすれば、その恩恵は最大限受けることができます。一方、無知のままとりあえず不動産投資を始めてしまうと、ほとんど失敗するという厳しい世界であると認識しておきましょう。
サラリーマンが不動産投資を始めるうえで知っておくべきこと
自ら情報収集することに疎い高年収サラリーマンは、不動産投資の営業にとっては格好のカモになることが多々あります。
まずは、自分のところにおいしい物件の話など、そうそう回ってこないという事実をしっかり頭に入れておきましょう!営業マンが薦める物件は、早く売りたい物件、買い手がなかなか現れない物件の事もありますよ。
不動産投資会社から頂く情報は有益なものも非常に多いですが、必ず自分でも情報が正しいか調べる習慣をつけましょう。
また、不動産投資は、銀行や管理会社、入居者などとのやり取りが必要で、投資というより事業に近い性質があります。株式投資やFXのように、1クリックで即座に売買し、収益が得られるという方法とは大きく異なることを理解しておきましょう!
以上のように、「とりあえずお金があるから不動産でも買って家賃収入を得たいな。」という人には、不動産投資は向いていないでしょう。そういう方には、REITを活用し不動産へ投資する方が良いと思いますよ!
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REITと異なり、不動産投資はサラリーマン大家になることです。従って、①不動産が好き、②積極的に情報収集することが苦にならない、③リスクを回避するための判断・行動ができるといった人が不動産投資に向いています。
さらに、不動産と関わり続ける覚悟も必要です。生半可な気持ちでは不動産投資から収益を出し続ける事はなかなか厳しいと思います。
といった感じで、ここまでいろいろ厳しいことを書いてきましたが、要するに不動産投資の世界も決して甘くはないというわけです。
とはいえ、不動産投資は節税対策になったり、老後生活の支えになったりと、覚悟を持って実践してきた人には多くの恩恵を享受できるのも事実です。
次の章からは、不動産投資がどのような流れで進んでいくのか、そして、サラリーマンが不動産投資をするメリット・デメリットについて徹底解説します。
さらに、あなたが不動産投資業界のいいカモにならないように、「不動産投資を始めるなら最低限すべきこと」も合わせて解説していきますので、しっかり理解を深めていきましょう!
自分で稼いだお金は、自分でしっかり守り、適切な資産運用を心がけましょう。
不動産投資の基本の流れ
くどいかもしれませんが、不動産投資はマンションやアパートなどの不動産に投資して、収益を得ることです。収益が得られない不動産投資では意味がありません。
なお、不動産投資で得られる収益の種類は、①家賃収入、②売却益の2種類あります。
不動産投資は、一般的には下のようなステップで進められます。
- 自己資金や金融機関から融資を受ける。
- 不動産を購入する。
- 入居者に貸し出しして家賃を得る。
- 不動産を売却し、売却益を得る。
各ステップで、いろいろな人とやり取りする必要があったり、収益を得るための戦略を立てなければならなかったり、不動産投資は手間ひまがかかる「事業」と認識しておきましょう。
サラリーマンが本業に影響なく不動産投資を開始するコツ
株式投資やFXは、対象の金融商品に対する買いも売りも1クリックでできますよ。即座に利益も損失も確定できる特徴があります。
一方、不動産投資は先ほど説明した4ステップを経て、初めて収益が得られます。すなわち、基本的には株式投資に比べて、多くの手間、時間がかかる特徴があります。
このような話を聞くと、「サラリーマンのように、平日に時間がなかなか確保できない人は不動産投資に向かないのではないか?」と思うかもしれません。
しかし、不動産投資にかかるあらゆる手間は、管理会社や税理士にほとんど委託できます。
サラリーマンの場合、会社への勤務に大半の時間を使うため、不動産投資にかかる業務に時間を使うことは不可能でしょう。信頼できる管理会社や税理士を探し、手数料を支払い、不動産投資にかかる面倒な業務を外部委託することをおすすめします。
以上のように、サラリーマンであっても、上手く管理会社を活用できれば、本業への影響を最小限に抑えつつ、十分に不動産投資を実践できます。
もちろん、不動産投資となれば、空室リスクや家賃滞納リスク、災害リスクなどはつきものです。これらのリスクを回避するために、所有する不動産の立地は適切か、管理会社は滞納保証があるか、適切な保険に入っているかなど、万が一に備える対策もしておくと良いでしょう。
サラリーマンが不動産投資に成功するには、以下3つのポイントを心がけて行動していきましょう!
- 不動産投資に関する基本的な知識を身に付ける
- 長期的に収益が得られる不動産を探す
- 信頼できる管理会社を見つける
これらがきちんと実践できれば、あなたの不動産投資の成功確率もぐ~~んと上がるでしょう。
サラリーマンが不動産投資で得られる7つのメリット
不動産投資と言えば、真っ先に思いつくメリットとして、毎月安定して得られる家賃収入ではないでしょうか。
もちろん、家賃収入は魅力的ではありますが、資産を増やすことだけが目的ならば、不動産投資より株式投資などの金融商品の方がメリットが大きい場合もあります。
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それでも、不動産投資をするサラリーマンが増えているのは、不動産投資に他の金融商品にはない特徴があり、資産を増やすこと以外にもたくさんのメリットがあるからです。
ここでは、不動産投資をする際にサラリーマンが得られるメリットについて紹介します。
不動産投資のメリット
- サラリーマンは融資を引き出しやすい。
- 長期的な安定収入が得られる。
- 老後の年金代わりになる。
- 基本的に自己資金で借入金を返済する必要がない。
- 節税対策として不動産投資を行える。
- 生命保険の代わりになる。
- 不動産投資はインフレに強い。
サラリーマンは融資を引き出しやすい
サラリーマンが不動産投資を始める際には、銀行から融資を受けることがほとんどでしょう。
サラリーマンは、銀行から安定しているとみなされやすく、特に勤続年数が長い人は高い評価を得られます。特に、大手上場企業のサラリーマンや公務員は、最も信用があるといってもいいでしょう。
サラリーマンの信用力をフルに活用することで融資が受けやすくなり、候補となる不動産も多くなります。候補となる不動産が多ければ、それだけ優良物件を所有できる可能性も高くなるというわけです。
ただし、銀行側も「仮に不動産投資に失敗しても、サラリーマンの給料という安定収入で返済可能であり、とりっぱぐれの可能性が低いだろう」という裏勘定があることも忘れてはいけません。
融資を受けたから大丈夫と慢心することなく、購入する不動産、融資条件など、重要事項はしっかり確認しましょう!やるべきことを怠ると、あなたの不動産投資は失敗する可能性が高くなりますよ!
長期的な安定収入が得られる
所有する不動産に入居者がいれば、毎月家賃収入が得られ、長期的な安定収入が見込めます。
株式投資で得られる配当金は、年1~2回のことが多く、業績によってはなくなることもあります。投資信託は毎月分配型もありますが、元本を取り崩して分配金が支払われることもあります。
これに対して、不動産投資は条件の良い物件を選ぶことさえできれば、毎月収入が見込める点は株式投資などにはないメリットでしょう。
空室リスクや家賃滞納リスクはありますが、物件の種類、立地条件などを吟味し、滞納保証がある管理会社を選ぶことなど、リスクに対して適切な対策をすることである程度リスクを回避できますよ。
特に、融資を受けやすいサラリーマンであれば、不動産の候補も多くなる傾向があります。従って、良い物件を所有できる可能性も高くなり、結果として毎月の安定収入がより期待できると言ってもよいでしょう。
老後の年金代わりになる
共働き夫婦がもらえる年金額は、平均で月27万円程度と言われています。専業主婦の家庭や自営業ならば、年金額はさらに低くなります。
貯蓄額、住んでいる地域、生活スタイルなどによっては、月30万円弱では老後に少々不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
そんな人にとっては、不動産投資をすることで年金以外に毎月の収入を確保できるため、老後の不安も減り、豊かな生活を送れる可能性が高まります。
老後に備えるためにも、築年数が浅く長期的に収益が得られる可能性が高い不動産を選ぶと良いでしょう。毎月の家賃収入を老後の生活費に充てられれば、浮いた年金で楽しく旅行をすることも夢ではありません!
基本的に自己資金で借入金を返済する必要がない
株式投資や投資信託などの金融商品とは異なる特徴として、不動産投資は金融機関からの融資を利用できるため、レバレッジをかけた投資ができます。(レバレッジ = てこの原理、少ない自己資金で大きなリターンが得られる方法)
株式投資でも、信用取引を利用すれば自己資金の3倍程度の金額を動かせる取引もあります。しかし、不動産投資の場合は、融資を受けやすいサラリーマンなどは、自己資金の10倍以上の金額の不動産を購入できる場合もあります。
一般的に、不動産投資には数千万円から数億円の資金が必要になることが多いです。サラリーマンが簡単に用意できる金額ではないため、多くの人は金融機関の融資を利用します。
そして、借入金の返済は毎月の家賃収入が充てられることが多いです。すなわち、適切な不動産を所有し、十分な家賃収入を確保できていれば、自己資金で借入金を返済する必要はありません。
言い換えれば、あなたの借入金は入居者が返済してくれるということです。
場合によっては、返済額より家賃収入の方が多くなるので、その差額は利益となり、あなたの口座に毎月入金されます。これが、会社の給料以外の副収入になります。
もちろん、空室が発生してしまうと家賃収入が得られないため、自己資金で返済しなければならなくなります。こういった事態を防ぐためにも、やはり購入を検討している物件条件(築年数、立地、間取りなどなど)は十分吟味する必要があります。
以上のように、不動産投資は融資を活用することで、比較的少ない自己資金でも大きな収入が得られる可能性があり、魅力的な投資でしょう。
節税対策として不動産投資を行える
不動産投資をしていると、所得税や住民税の節税ができる場合もあります。
不動産投資で得た利益や損失は、不動産所得として確定申告する必要がありますが、サラリーマンの場合、所得税を計算する際に不動産所得と給与所得を損益通算できます。
例えば、給与所得が500万円のサラリーマンの場合、500万円に税率をかけて所得税を計算します。しかし、もし不動産所得で100万円の損失があった場合、課税所得は「500万円-100万円=400万円」になり、所得税が少なくなります。
ちなみに、不動産所得は「総収入金額-必要経費」ですから、必要経費が多くなれば多くなるほど不動産所得は少なくなり、納める税金も少なくなります。
特に、不動産所得を計算する際に大きなポイントとなるのが、現金の支出をともなわない減価償却費を経費にできる点です。
減価償却費とは、長期間にわたり利用する資産を購入した際に、その購入金額をいったん資産として計上した後、該当金額が資産の耐用年数にわたって規則的に費用として配分される金額のことです。
例えば、1,000万円の物件を購入し、法定残存耐用年数が20年の場合、1,000万円÷20年=50万円となり、毎年50万円ずつ減価償却費として、経費に計上できます。
この場合、毎年50万円現金を支払っているわけではありませんが、20年間は減価償却費を年間50万円計上できます。結果として、課税所得を減らし、所得税の節税になるというわけです。
また、所得税の対象になる所得を減らすことで、自ずと住民税も減額されるため、住民税の節税にもなりますね。
この他にも、投資用不動産として不動産を保有していると現金や有価証券より、相続した時の評価額が低くなることが多いので、相続税を節税できる場合もありますよ!
生命保険の代わりになる
不動産投資をする際に、金融機関から融資を受けた場合は、一般的には「もしもの時」に備えて団体信用生命保険に加入します。
団体信用生命保険は、契約者が死亡または高度障害になった場合に借入金の返済が免除され、家賃収入が手元に残るというものです。つまり、収入を支えている契約者が亡くなっても、残された家族は家賃収入を生活費に充てることができます。
不動産投資はインフレに強い
不動産投資はインフレ対策に有効だと言われています。
インフレとはインフレーションの略で、物やサービスの価格が上昇していくことです。インフレが続くと、現金で資産を保有していた場合、資産が目減りしていくリスクがあります。
もし、投資用の不動産を所有していれば、不動産価格や賃貸料は物価に連動する傾向があるため、不動産価格や賃貸料も上昇する可能性が高いです。
ただし、入居者の収入も同様に上がらなければ、生活が苦しくなるので、インフレだからといってむやみに賃貸料を上げるのは避けた方が良いでしょう。
インフレ対策として不動産投資をするのであれば、インフレでも入居者の収入が上がり、不動産価格や賃貸料も上昇するような地域の不動産に投資しましょう。
なお、不動産以外にもインフレ対策に適した金融商品(特に金、原油などのコモディティ関連)はあります。不動産投資が最良の手段であるわけではない点、ご承知おき下さい。
「インフレ対策には不動産投資が最良だ!」という単純な話ではなく、何が最良かはその時々で変化するということを理解しておきましょう!
常に世の中のトレンドをつかみ、ケースバイケースで対応できる能力を磨くことができれば、不動産投資を成功に導くのみならず、資本主義社会で有利に生きていくことができますよ。
サラリーマンが不動産投資を始める前に理解しておくべき3つのデメリット
不動産投資における成功は、目的の収益が得られることです。不動産から得られる収益は、次の計算式がプラスになることです。
不動産収益 = 総収入 - 必要経費
必要経費には、諸経費に加え、ローンの返済額、税金、修繕費等の積立金があります。これらを総収入から差し引いて残った不動産収益がマイナスならば、不動産投資のために給料や貯金を切り崩さなければなりません。
このような事態になってしまうと、損するために不動産投資を行っていることになり、全く意味がありません。
そこで、どのような事態が発生すると、不動産収益がマイナスになってしまうのか、サラリーマンが不動産投資をする際に気をつけるべきポイントを押さえておきましょう。
サラリーマンが不動産投資する際に考えられるリスクは、主に3つあります。
不動産投資のリスク
- 不動産の入居率低下
- ローン金利の上昇
- 所有不動産の買い手不在
一つずつ詳しく解説していきます。
不動産の入居率低下
不動産投資の収入は、月々の家賃収入と不動産の売却益です。従って、所有物件に空室が出てしまうと、月々の家賃収入は減ります。
入居希望者が多いエリアに人気の不動産を所有していれば、満室になる可能性は高いでしょう。一方、需要が低いエリアに不動産を所有してしまうと、空室が出るリスクが高くなり、予想通りの家賃収入が得られないことが多々あります。
また、物件はどんどん古くなっていきます。新築当初は人気がありますが、5年、10年と経つと徐々に人気はなくなっていきます。競合の新築アパ-トやマンションができて、賃料を下げなければならない状況になれば、家賃収入も減ってしまいます。
ローン金利の上昇
サラリーマンで不動産投資をする人が増えている一つの理由に、ローンの低金利があります。
ローンの金利が数年以内に急上昇するという可能性は低いですが、不動産投資のローンは10年、20年で組むことが多いです。
不動産投資ローンを変動金利で組んだ場合、金利が上昇した際に大きな影響を受けます。金利が上がると、先ほど紹介した「不動産収益=総収入ー必要経費」のうち、必要経費にあたるローンの返済額が上がり、結果として不動産収益が減ってしまいます。
一時的に収入が支出を上回ってしまった場合は、不動産投資を継続できるでしょう。しかし、赤字になる月が長期間に及ぶと、サラリーマンの収入ではとてもカバーできなくなり、破産してしまう場合もあります。
所有不動産の買い手不在
サラリーマンが毎月もらえる給料で不動産投資の赤字を補てんできなくなったら、いよいよ不動産売却を検討しなければなりません。
「赤字が出ても、不動産を売却してしまえば手元に資金が残るので大丈夫でしょう!」と考える人もいるかもしれませんが、不動産は株式投資のように、パソコンをワンクリックすれば簡単に売却完了というわけにはいきません。
都心などの需要が高いエリアの不動産であれば、まだ不動産を買いたいという人も多いでしょう。一方、郊外や地方の不動産だと買い手不在の場合が多く、売却するまでかなりの時間がかかる可能性が高いでしょう。
早く売りたいと焦ると、足元を見られ、あなたの大切な不動産を安く買いたたかれることもあります。どこまでの赤字なら耐えられるか、どのくらいの価格なら売却しても問題ないか、事前にしっかりとシミュレーションしておきましょう。
また、不動産は買い手がいたとしても売却できない場合もあります。それは、不動産の売却価格がローン残債よりも低い場合です。
上記の事態に陥ってしまうと、基本的に融資をしていた銀行は抵当権(ざっくり言うと、担保としていた土地や建物をローン返済に充てる権利)を解除しないため、不動産は売却できず、赤字を垂れ流しの不動産を所有し続けなければなりません。
銀行との交渉の余地はありますが、上記のような事態になった際の唯一の解決策は、不動産の売却価格とローン残債の差額分を一括で銀行に返済することです。それができないと、不動産投資で発生する赤字のために、あくせく働かなければならないという最悪の事態になります。
このような事態にならないためにも、不動産投資についてしっかり知識を身に付け、リスク対策をしていくしかありません。
サラリーマンが不動産投資で失敗しないためのコツ
前章では、サラリーマンが不動産投資をする際に気をつけるべきポイントを解説してきました。不動産投資にかかるリスクを最小限に抑えるために、運用シミュレーションを活用しましょう。
不動産投資を管理会社を通して行うとほとんどの場合、事業計画書が提示されます。しかし、この事業計画書を鵜呑みにしないようにしましょう。
一つ一つの数字をしっかりと確認し、本当に妥当な内容なのかを精査する必要があります。
サラリーマンが不動産投資に失敗する原因は表面利回りにあり
不動産投資における表面利回りは、次の計算式で算出されます。
表面利回り=(満室時の年間家賃収入÷不動産の購入価格)×100
表面利回りは不動産投資をするかどうかの判断において重要な指標であることは間違いありません。しかし、実際は表面利回り通りには収入を得られないと考えておきましょう。
さらに、不動産業者によっては水増しして表面利回りを算出している場合もあるので、注意が必要です。
例えば、表面利回りを算出する際に、建築費の消費税や外構・地盤工事代、諸経費などを抜いて、購入価格を実際より低くするケースです。この場合、上記式の分母「不動産の購入価格」が小さくなり、表面利回りを高く見せることができます。
収支シミュレーションが楽観的でないか確認すべき
管理会社から事業計画書を頂いたら、収支シミュレーションが楽観的でないか、しっかりと確認することをおすすめします。
銀行が不動産投資へ融資を検討する際は、入居率を80%程度に設定し、不動産投資があまり上手くいっていない状況を想定したうえでのシミュレーションを行っていると言われています。
もし、管理会社から頂いた事業計画書の入居率が長期間90%以上の高比率で設定されたままシミュレーションをしているならば、実際の不動産経営においては赤字になる可能性があります。しっかりと自分自身で再検証してみましょう!
適切な家賃、家賃下落率を設定してシミュレーションをしよう!
事業計画書の家賃設定も確認しておくべき重要事項です。競合や相場を加味して適切な家賃が設定されているか、家賃下落率も適切に設定されているか、しっかり確認しておきましょう。
例えば、不動産購入時点で5万円台の類似する築浅物件の空室がゴロゴロあるような地域で、20年後でも5万円台の家賃を想定しているようでは、シミュレーションとしては精度が低すぎます。
通常、家賃下落率は年率1~2%であることが見込まれます。1%以下の家賃下落率でのシミュレーションでは、かなり甘いということを認識しておきましょう。
また、大規模修繕費や広告費が盛り込まれていない事業計画書は論外でしょう。年間の原状回復費が極端に少ない金額に設定されているのも問題です。
基本的に不動産は、築年数が経つにつれて、外壁塗装、水回り、配管などなど改修の必要性が高まります。従って、修繕費は必ず発生する費用であるため、事業計画書で省略している時点で、その管理会社はあまり信用しない方が良いと思われます。
不動産投資をする際には、事業計画書の数字が本当に妥当であるか、実際に自分自身でしっかりと確認することは必須です。管理会社に丸投げし、出てきた数字を鵜呑みにした場合は、あなたの不動産投資はほとんど失敗すると考えても過言ではないでしょう。
そのくらい不動産投資は厳しい世界であると考えておきましょう!
まとめ:サラリーマンも不動産投資を始めて、将来に備えよう!
今回、サラリーマンが不動産投資を始める際に押さえるべきポイントを解説してきました。しっかり知識を身に付け、正しく実践できさえすれば、不動産投資は多くのメリットを得られるすばらしい投資方法だと確信しています。
人口減少が進んでいる現代日本では、空き家やマンションの空室が増加し、問題となっているなんていうニュースを聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。そんな状況下で「これから不動産投資をすべきか?」と悩んでいる人も多いと思います。
確かに、供給過剰になれば不動産の価格は下落します。現代日本においては、不動産への過剰な投資は、一種の賭けとも言えるでしょう。とはいえ、他の資産運用も賭けの要素はありますし、不動産自体はどんな社会になろうとも、人がいる限りなくなりません。
不動産投資に関する知識をしっかり身に付け、適切に実践さえすれば、日本においてもまだまだ不動産投資で成功できます。そして、成功した暁には、会社からの給料以外に長期的な安定収入を得られるという、非常に魅力的な恩恵を享受できるというわけです。
先述の通り、不動産の管理は管理会社に任せることもできます。サラリーマンのような本業に多くの時間を費やす人にとっても、副業として続けやすい部類に入ると思います。
最後に、サラリーマンが不動産投資で成功するための重要な3つの素養は紹介します!
- 不動産が好きである。
- 数字を基に楽観・悲観シナリオを考えられる。
- 社会情勢から未来をある程度予測し、対策を考えられる。
1つ目は心意気のような感じですが、2~3つ目は日頃からの訓練でほとんどの人が身に付けることができます。
あなたがサラリーマンであるならば、融資を受けやすいというアドバンテージを既に持っています。不動産投資において融資を活用できれば、少ない自己資金で始められ、長期にわたり安定収入を得ることも夢ではありません。
ぜひ、不動産投資からの安定収入と幸せな未来を手に入れるためにも、不動産投資に関する基礎知識をしっかり身に付け、実践していきましょう!