年金受給額の減少、終身雇用制度の崩壊、老後2000万円問題など、老後のお金に不安を感じる日本人は多くいると思います。
そんな将来に不安を抱える人が多い現在の日本では、様々な資産運用がメディアで取り上げられ、若いうちから資産運用を始めることがいかに重要かが叫ばれていますね。
最近では、FIREムーブメントなる「経済的自立」と「早期退職」を実現するため、若いうちから資産運用を活発に行う人も増えてきています。
しかし、単に資産運用と言ってもその種類は様々で、どれが自分の合っているか分からないという方も多いと思います。資産運用の種類によって、投資額やリスクが大きく異なるため、各資産運用の特徴をしっかりとらえ、自身のリスク許容度と照らし合わせ、最適な運用方法を選ぶ必要があります!
今回は、どの資産運用があなたに合っているかを理解するために、不動産投資を始め、株式投資やFXなど代表的な資産運用の特徴について徹底比較していきます。
本記事の内容
- 不動産投資・株式投資・投資信託・FXの違いを比較
- 不動産投資が多くの人におすすめな理由
✔ 本記事を書いた人
4種類の資産運用の特徴を比較!
今回の記事では、資産運用の中でも代表的でなじみのある「不動産投資」「株式投資」「投資信託」「FX」の4種類の資産運用について取り上げています。
まず、各資産運用の特徴について、詳細を解説していきます。
不動産投資
不動産投資は、マンションやアパートなどの投資用物件を購入し、毎月の家賃収入を主な収益とする資産運用です。
不動産投資は一般的にミドルリスク・ミドルリターンと言われており、一攫千金を狙えるほどのリターンは期待できないですが、適切な物件を所有さえできれば、低リスクで毎月そこそこの収益が得られます。
そういった点でとても魅力的な資産運用方法の一つであり、ごく普通のサラリーマンにも人気があります。
しかし、初期費用として多額の自己資金が必要であり、ほとんどの方は金融機関からの融資を受けて、不動産投資を始めることになると思います。そのため、空室率が高まり、ローンの返済が滞ってしまうと、最悪の場合は破産してしまう危険もあります。
また、地震や火事の影響で収入源となる投資用物件そのものがなくなってしまうリスクも考慮する必要があります。従って、不動産投資を検討する場合は、どの物件を購入するかについて、非常に慎重になる必要があります。
不動産投資について、もっと詳しく知りたいという方は、下記の記事を参考にして頂ければと思います。初心者向けにかなり詳しく解説しています!
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不動産投資とは?初心者が成功するために重要な7つのポイントを解説!
年金受給額の減少や老後2000万円問題などなど、将来に不安を抱えている日本人が多くいる中、資産運用に興味を持つ人が増えてきています。 様々な資産運用方法がある中で、不動産投資はミドルリスク・ミドルリタ ...
株式投資
資産運用と言えば、株式投資といっても過言ではないくらい多くの人に知られている運用方法ですね。おそらく、「資産運用」と聞けば、大体の人が真っ先に株式投資をイメージするのではないでしょうか?
株式投資とは、元本の変動による売買益で利益を得る資産運用です。
また、株式を長期間保有することで配当金や株主優待券を手に入れることもでき、最近では配当金や株主優待を目当てに株を買う人も増えています。
テレビのニュースでも度々、株主優待だけで生活している人なんか特集されたりして、ますます知名度が高くなってきていますね。
株価は世界情勢によっては、かなり激しく変動することもあり、購入時の何倍にも株価あがることもあります。一方、購入時の株価から半分の値段になってしまうことも結構あります。
記憶に新しいコロナショックでは、一瞬で資産が半分になったとか、3分の1になったといった類の話もよく聞きました。
株式投資は、未来を読むことが得意な人、運が強い人、株価分析が苦にならない人など、一種の才能を持った人にとっては、どんどん資産を増やす手段として最適です。
一方、大半の人は一時的な大暴落の際にパニックになって売ってしまったり、下落中にもかかわらず「安い!」と思って大量に株を購入してしまったりなど、負けパターンの取引をしがちで、大損する可能性も高いです。
一般的に、株式投資はハイリスク・ハイリスクな資産運用と言われています。リスクをきちんと管理できない人は、余裕資金のみで投資したり、株主優待を楽しむための株を購入するなど、ほどほどにとどめておく方が良いかもしれません。
投資信託
投資信託とは、投資家から集めた資金を元手に、資産運用のプロたちが株式、不動産、債権などの様々な銘柄で資産運用をし、得られた利益を投資家たちにリターンする資産運用です。
投資信託の大きな特徴として、投資家自身は資産運用せず、プロに任せるという点です。
あくまで資産運用をするのはファンドマネージャーなど資産運用のプロたちで、投資家本人は数ある投資信託の中から良いと思ったものを購入するだけなので、比較的簡単に質の高い資産運用を実践できます。
しかし、いくら資産運用のプロが運用するとはいえ、必ずしも利益が出るとは限らず、場合によっては損失となる可能性もあります。また、信託報酬や売買手数料など何かと費用がかかるため、手数料の面で見ると他の資産運用の方が良い場合もあります。
とはいえ、投資信託は、株式投資に比べると比較的少ない資金で分散投資が可能であるため、ミドルリスク・ミドルリターンな資産運用と言えるでしょう。
なお、投資信託の中でも不動産投資とよく比較されるのが、REIT(リート)です。
REITでの資産運用を検討したいという方は、詳しく解説した記事を参考にしてみて下さい。実際にREITを購入したい場合、証券口座を開設し、入金すればすぐに購入できますよ!
FX
FXとは、「Foreign Exchange」の略称で、日本語にすると「外国為替証拠金取引」になります。簡単に言うと、異なる通貨の売買し、その値動きで利益を出します。
円はもちろん、ドルやポンド、ユーロなどの様々な通貨を売買することができます。
よくテレビのニュースなどで、「現在の円相場は、1ドル100円で取引されています。」なんて言葉を耳にしたことありませんか?これは、通貨の価値(為替レート)を表しています。
為替レートは常に変動しており、FXではこの変動差額を利用して、利益を出しています。
具体例
例えば、「1ドル=120円」のタイミングで1ドル通貨を購入し、「1ドル=130円」になったタイミングで売却すれば、10円の利益が得られます。
また、この時に1000ドル購入していれば、10円の1,000倍なので、10000円の利益になります。
上の具体例を見ると、簡単に利益をあげられそうな気がしますが、為替レートは予測不能な変動を繰り返したり、変動幅も大きかったりするため、ある程度FXの経験がなければ、売買のタイミングを上手くはかり、利益を出し続けるのは非常に難しいでしょう。
また、常にチャートを見て為替レートの動向を確認しなければならないため、他の資産運用に比べて手間やストレスがかかる可能性が高いです。
FXは、資産運用の中でかなり難易度が高く、株式投資以上にハイリスク・ハイリターンであるため、初心者は安易に手を出すべきではないでしょう。
それでも、一度体験してみたいという方は、まずは余剰資金のみで試しにトレードしてみて、どんな感触か確かめてみても良いと思います。
不動産投資と他の資産運用を様々なパターンごとに徹底比較!
続いて、各資産運用を様々なパターンごとに比較していきます。
必要投資額で比較
資産運用の種類 | 必要投資額 |
不動産投資 | 物件により異なるが、融資を受ける場合でも最低100万円程度は必要。 |
株式投資 | 銘柄により異なるが、100株単位で購入する場合、最低5万円程度は必要。 |
投資信託 | 基本的に株式投資と同様だが、100円から購入可能なものもある。 |
FX | 証拠金として数千円程度の入金が必要。 |
不動産投資の場合、一棟投資やワンルーム投資など物件の種類によって初期投資額が大きく変わってきます。
例えば、新築の一棟物件を購入する場合は、最低でも1,000万円以上の資金が必要になるでしょう。一方、ワンルーム投資では、100万円程度の資金があれば始められる場合もあります。
また、100%融資を受けることができれば、頭金0円で不動産投資を始めることも可能です。しかし、100%融資など融資額が大きくなれば、その分返済額も大きくなり、リスクも高まるので、十分気を付ける必要はあります。
株式投資の場合、株式を購入する際の単位として「単元」を用い、通常は1単元=100株と決められています。
最近では、1株単位から株を購入できるサービスを展開している証券会社もありますが、多くの場合100株単位での売買になり、できれば5万円程度は証券口座に入金しておいて方が安心でしょう。
例えば、200円の株を購入する場合、1株200円✕100株=20,000円が必要投資額になります。人気の株主優待銘柄や高配当銘柄を複数銘柄購入したい場合は、銘柄にもよりますが、100万円程度の投資資金があった方が安心ですね。
ただし、今すぐ株式投資を始めたい方は、1株単位で売買できる証券会社で口座を開設して、取引をスタートしても良いでしょう。1株単位の売買ならば、1000円程度あれば十分ですぐにでも株式投資を始められますよ!
投資信託ついても、基本的には株式投資と同様です。投資信託の種類によっては、100円から運用できるといった特徴のものもあるので、あなたの金融資産と照らし合わせ、どの投資信託にするか、あるいは株の個別銘柄の方がよいか、選びましょう。
なお、投資信託を選ぶ際は、信託報酬がなるべく低いものを選んだり、積立NISA口座を利用したりすることも利益を最大化するためにとても有効です!こういった知識も始める前にきちんと身に付けておきましょう。
FXの場合、FX取引所によって通貨単位が異なりますが、大体1,000通貨単位で始めるケースが多いです。ただし、FXの場合は証拠金を入金し、その何倍(国内のFX業者では最大25倍)もの金額を動かせる仕組みです。
例えば、1ドル100円とした場合、1,000通貨単位で10万円になりますが、証拠金としては、5000円程度あれば取引ができます。このレバレッジという仕組みが、大きく儲けられる一方、大きく損失もでることになり、証拠金がマイナスになることもあります。
それゆえ、FXは難易度が高く、リスク管理できない初心者が始めると、あっという間にお金が無くなってしまうケースもあるというわけです。
リスク・リターンで比較
不動産投資 | ミドルリスク・ミドルリターン |
株式投資 | ハイリスク・ハイリターン |
投資信託 | ミドルリスク・ミドルリターン |
FX | ハイリスク・ハイリターン |
資産運用の特徴を解説したところでも、それぞれの資産運用のリスク・リターンについて述べてきましたが、ここでも改めてリスク・リターンについて整理したいと思います。
不動産投資は、よくミドルリスク・ミドルリターンな資産運用だと言われます。その理由は、高額な融資を受ける借入リスクがあるものの、安定した家賃収入により毎月の返済を滞りなく行えるからです。
また、ローン完済後は不労所得として毎月安定した収益が得られるため、不動産投資にかかるあらゆるリスクに対して、非常に良いリターンが得られます。
株式投資は、株価購入時の何倍もの利益が得られる可能性のある資産運用です。しかし、購入している銘柄によっては株価の変動が激しく、場合によっては大きな損失を受ける可能性もあります。
従って、株式投資は、不動産投資に比べるとハイリスク・ハイリターンな資産運用だと言われています。利益を出し続けるためには、ある程度の経験と知識が必要になります。
投資信託については、基本的には株式投資と同様ですが、比較的少ない資金で分散投資できる手段があるため、株式投資に比べるとリスクは少ない傾向です。
また、投資家本人が直接資産運用せずに、資産運用のプロたちが行うものもあるため、初心者が自分で運用するより失敗する可能性は低いと考えられています。
ただし、投資対象は基本的に株式が多く、決してリスクが低いわけではないので、ミドルリスク・ミドルリターンな資産運用と言えるでしょう。なお、購入する投資信託によっては、ハイリスクのものあるため、購入時はどういった投資信託であるか事前に必ず調べることをおすすめします!
最後にFXの場合ですが、FXは証拠金取引であり、自分の資金の最大25倍まで資金を動かせるため、ハイリスク・ハイリターンな資産運用に分類されます。
必要投資額が少ないからリスクも低いと思う方もいるかもしれませんが、FXは基本的にレバレッジ取引であり、なおかつ為替レートを予測するのは非常に難しく、多くの人が利益を出し続ける事に苦労しているのが事実でしょう。
なお、株式投資においても、自己資金の3倍程度まで取引可能な信用取引があり、こちらもFX同様、ハイリスク・ハイリターンな資産運用です。初心者は行わない方が良いでしょう!(基本的には、信用取引は証券会社が取引をしても良いと認めた人しか取引できません。)
FXは、口座開設+入金でお金がもらえるキャンペーンがあったり、インターネット上の宣伝で誰でも簡単に稼げると書かれていたり、何かとプラスのイメージが植えつけられ、知識の少ない若者などが気軽に参入する傾向にあります。
しかし、間違いなくハイリスク・ハイリターンで、ギャンブル要素も大きいと個人的には考えています。
「試しにFXをやってみたい!」という方を無理やり止めることはしませんが、しっかりリスク管理を身に付けてから取引を開始することをおすすめします。
手数料で比較
不動産投資 | 仲介手数料、融資事務手数料 |
株式投資 | 売買手数料 |
投資信託 | 売買手数料、信託報酬、信託財産留保額 |
FX | スプレッド |
各資産運用を実施するためには、それぞれ手数料を支払う必要があります。利益が得られたとしてもそれ以上に手数料がとられてしまうと、手元に資金は残りません。
そういった意味でも、手数料など資産運用にかかる費用は、事前に十分調べることはとても大切です。不必要な手数料は払わない、同じような資産運用方法でもっと低い手数料のものはないか等、入念に調べることも、資産運用を成功させるためには重要です!
不動産投資については、仲介手数料は仲介会社を介した場合に発生する手数料です。もし売主として不動産を販売している会社を利用すれば、仲介手数料は一切かかりません。
また、融資を受けずに自己資金だけで不動産投資を始める場合は、融資事務手数料もかかりません。
このように、ちょっとした工夫で手数料をなくすこともできるので、あなたの現在の状況と照らし合わせ、数ある選択肢から最適な方法を選びましょう。
株式投資の場合は、売買手数料がかかります。現在ではネット証券での取引が主流で、売買手数料はかなり格安であるため、あまり気にする必要はないでしょう。
それでも、トレード額に応じて証券口座を使い分けることで、多少は手数料を安くすることも可能ですので、気になる方は各証券会社の手数料体系を入念に調べておきましょう。
投資信託の場合、売買手数料は株式投資と同様です。一方、信託財産留保額は投資信託特有のもので、株や債券などのあらゆる銘柄を換金するための費用のことです。多少の誤差はありますが、大体0.5%程度でそこまで気にしなくても良いでしょう。
FXの場合、スプレッドと呼ばれるFXトレードを行う際に発生するものがあります。買い取引時の為替レートと売り取引時の為替レートの差額のことで、FX会社を利用する以上、絶対に支払わなければいけません。
不動産投資は最もバランスのとれた資産運用である!
ここまで代表的な4つの資産運用について、特徴や比較をしてきましたが、「結局、どの資産運用が一番おすすめなのか知りたい!!!」と思っている人も多いでしょう。
個人個人で属性(年齢、家族構成、金融資産額など)や性格が異なるため、一概に「この資産運用がおすすめですよ!」とは言い切れませんが、リスク・リターンのバランスが最も良くとれており、比較的多くの人におすすめできる資産運用は、不動産投資でしょう!
不動産投資は、他の資産運用に比べて元本変動が少なく、収益の安定性という点では数ある資産運用の中でもトップクラスと言っても過言ではありません。また、生命保険の代わりや節税対策、相続対策にもなる点も多くの人におすすめできる点です。
このように他のの資産運用にはない魅力を持っています。
一方で、株式投資、FXなどと比べると、短期間で爆発的に収益を上げることは期待できません。また、必要資金が大きかったり、購入後も物件のメンテナンスが必要であったりなど、株式投資やFXよりもやらなければならない事が多くなる場合もあります。
いろいろ手間がかかる分、一旦コツをつかみ良い物件を所有できさえすれば、比較的低いリスクで長期的に安定した収益を得ることができます。
そういう意味で、不動産投資は、リスク・リターンが非常にバランスのとれ、多くの人におすすめできる資産運用だと言えます。
あまりリスクを取らずに計画的な資産運用を始めて老後に備えたいという方、長期的に安定した収益を得ていきたい堅実志向な方に、おすすめの資産運用と言って良いでしょう!
なお、「そうはいっても、いきなり不動産を現物で、ドーーーンと買うのも気が引ける」という方は、REITを購入することから始めてみてもいいでしょう!
REITは、先ほどざっくり説明しておりますが、少ない資金で複数の不動産に分散して投資できますし、管理や売却の手間もほとんどありませんので、証券口座の開設さえできればすぐ購入できます。
不動産投資とREITの違いを詳しく説明している記事も書いていますので、ぜひ、参考にしてみて下さい。現物の不動産を購入すべきか、REITでも十分か、自分に合った資産運用方法を探していきましょう。
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不動産投資とREITの違いは何?あなたがどちらに向いているか解説!
「不動産投資とREIT(リート)は、どんな違いがあるんだろう?」 株式投資を既にやっている人や不動産投資に興味がある人などは、REITという言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 「REI ...
まとめ:資産運用として不動産投資は多くの人におすすめです!
今回の記事では、不動産投資とその他の資産運用の特徴を比較し、解説してきました。
資産運用にはそれぞれ様々な特徴があります。それぞれの特徴をしっかり理解し、あなた合った資産運用を選択することで、初めて満足のいく成果が得られ、不安のない将来を迎えることができます。
今回の記事では、不動産投資がおすすめしましたが、もちろん全員が不動産投資を行うべきだという結論ではありません。資産運用方法の一つの選択肢として、多くの人が不動産投資について理解しておいても良いのではないかという提案だと思って頂ければと思います。
人生の目的は、幸せになることです。幸せになる手段の一つとして、お金の不安がない将来にしたいと思っている方は、それを達成する方法として、不動産投資を検討してみても良いのではないかと僕は思います。
この記事があなたの資産運用を選択に役立ち、しいては、あなたの将来に向けた資産形成に少しでも貢献できれば、とても幸せです。
ぜひ、不動産投資に興味を持った方は、しっかり勉強・実践して、あなたの思い描く幸せな将来を手に入れましょう!