不動産投資の成否は損益分岐点から考える!仕組みや計算法を解説

不動産投資において「損益分岐点」はとても重要です。

損益分岐点に関する知識がないまま投資を始めると、今行っている投資や経営の実態が把握できず、損失が出ているのか?いないのか?判断できません。

逆に、損益分岐点を理解できれば、より正確に投資判断を下すことができ、失敗を回避することができるようになります。

そこで今回は、不動産投資における損益分岐点について解説します。

この記事を読めば、損切りのやり方や値下がりの許容範囲がいくらかを知ることができるようになります!

不動産投資以外でも役立つ損益分岐点とは?

不動産投資における損益分岐点とは

損益分岐点を簡単に説明すると、黒字と赤字がちょうどプラマイゼロになる点です。

この点を超えれば黒字、下回れば赤字というラインのことです!

企業運営で言えば、支出と売り上げがトントンになる点を損益分岐点といいます。

損益分岐点の基準とは?

結論から先に言うと、損益分岐点は低いほど成功しているといえます。

なぜなら、収益分岐点は黒字と赤字がトントンになる点なので、この値が低ければ低いほど、黒字を出しやすいということになるからです。

これは、不動産投資においても同様です。

不動産投資では、「ローン+諸経費」が企業経営における支出に該当し、「家賃収入」が売り上げに該当します。

そのため、不動産投資で損益分岐点を算出する際には、入居率の割合を基準にすることが一般的です。

では、不動産投資において、損益分岐点を下げる方法にはどんなものがあるのでしょうか?

損益分岐点を下げる主な方法は次の2つです!
損益分岐点を下げる方法
  1. 毎月の支出を減らすこと
  2. 売り上げを増加させること

具体的に言えば、「月々のローン返済額を減らす」「経費を抑える」「家賃を上げる」などが損益分岐点を下げることに繋がります。

一般的に、不動産投資の損益分岐点は80%と言われることが多いですが、これは、日本の空室率が19%前後であることが理由です。

しかるべき対策をとることで損益分岐点を75%、70%と下げていくことは可能です!

ただ、損益分岐点を下回る赤字物件は、ローン返済を自己資金などから賄う必要があり、低い収入しか見込めないので、高く売ることは難しいでしょう。

短期で売却するとなると、手元には莫大なローン残高が残ることになり、典型的な不動産投資の失敗例といえます。

不動産投資における損益分岐点の仕組み

損益分岐点の仕組み

不動産投資における損益分岐点を考える上で重要なのが、「不動産投資はマイナスからのスタート」ということです。

この点を正しく理解しておかないと、損益分岐点の出し方そのものを間違えてしまうので、解説しておきます。

損益分岐点はマイナス分を加味して考える

相続でもしない限り、不動産投資は不動産を購入しなければ始まりません。

この時点ですでにマイナスですね!

不動産投資で成功するには、その点を加味して損益分岐点を設定する必要があります。

逆に言うと、きちんとマイナスを加味して損益分岐点を設定し、その数値を上回っていれば、ローン返済や経費を差し引いても、自由にできるお金が残ることになります。

さらに、無事にローンを完済できれば、その物件の権利が自分のものになり、損益分岐点も下がるので、少しくらい空室が出ても利益を出せる資産になるのです。

損益分岐点は利益幅相殺を考慮する

不動産投資の損益分岐点を考える際に、もう一つ考慮しなければならないのが「利益幅相殺」です。

不動産の販売価格には、デベロッパーに入る販売利益が上乗せされています。

つまり、販売価格=資産価値ではないのです!

例えば、1,000万円で販売されている物件があるとして、その25%がデベロッパーの利益となっている場合は、原価は750万円になります。

デベロッパーの販売利益は不動産投資家からするとマイナスであり、これを埋め合わせないことには、本当の意味で不動産収入はプラスに転じません。

そして、このマイナス部分を不動産所得で埋め合わせるのにかかる期間を「利益幅相殺期間」といいます。

先程の例を参考に利益幅相殺期間を考えると次のようになります!
-例-

3,000万円で不動産を購入した場合、デベロッパーの取り分である25%(750万円)を完済するには、不動産所得が10万円/月だと6.25年かかります。

この期間が利益幅相殺期間になります。

この例は現金一括で物件を購入した場合です!

実際はローンを組むことになると思うので、利益幅相殺期間はさらに伸びるでしょう。

なお、損益分岐点を算出する際には、デベロッパーの利益だけでなく資産価値下落額を差し引く必要があります。

従って、年月が経つにつれて下落していく資産価値に対して、不動産手取りの累積額がイコールで結ばれる点が損益分岐点となります。

ここで覚えておきたいのが、資産価値の下落幅は時間の経過とともに緩やかになり、やがて不動産所得よりも緩やかになるということです。

これにより、下落幅を不動産所得で賄えるようになり、ある地点で損益分岐点を迎えることができるのです。

不動産投資の損益分岐点を計算してみよう

損益分岐点を計算

不動産投資の場合、不動産価格の下落率によって損益分岐点がかなり変わってきます。

ここでは、ローンを使って不動産を購入した場合の2つのケースをシミュレーションしてみましょう。

下記の条件で2つのケースを考えてみましょう!
設定条件
  • マンション価格:3,000万円
  • 借入金額:3,000万円
  • 金利:1.7%(35年返済)
  • 毎月返済額:9万4,823円(9万5000円で計算)
  • 表面利回り:6%(家賃収入180万円/年)
  • 購入時の諸費用:100万円
  • 年間の経費:20万円(管理費・修繕積立金・税金等)

※家賃の変動、空室、その他の出費はないものと仮定します。

ケース① 10年後に売却、価格が5%下落した場合

10年間の収入

このマンションを10年間運営した場合の家賃収入は、次のようになります。

計算式

(3,000万円✕6%✕10年間)=1,800万円

マンションの売却額は、デベロッパーの販売利益が25%とすると、マンションの売却額は次のようになります。

計算式

3,000万円-(3,000万円✕5%)-(3,000万円✕25%)=2,100万円

したがって、10年間の総収入は次のようになります。

計算式
1,800万円(家賃収入)+2,100万円(マンション売却額)=3,900万円

10年間の支出

このマンションを10年間運営した場合の住宅ローン返済額は、次のようになります。

計算式

(95,000円✕12)✕10年間=1,140万円

これに、購入時の諸経費100万円と年間経費10年分(20万円✕10年間)を加えると、次のようになります。

計算式

1,140万円+100万円+200万円=1,440万円

住宅ローンの残債も忘れてはいけません!

10年後にローンの残債は約2,317万円残っているので、これをマンション売却時に完済する必要があります。

したがって、10年間の総支出は次のようになります。

計算式
1,440万円(ローン返済額+経費)+2,317万円(ローン残債)=3,757万円

10年間の収支

上記の条件で10年後に売却した場合、総収入3,900万円-総支出3,757万円となり、143万円の黒字になります。

つまり、10年後に物件価格が約5%下がっても損はしないということになります!

このことから、10年後に売却した場合、2,707万円(約9%の下落)までなら売却しても損をしないということになり、この数値が損益分岐点となります。

では、次に20年後に10%下落した状態で売却した場合を考えてみましょう。

ケース② 20年後に価格が10%下落した場合

20年間の収入

年間の家賃収入が180万円なので、20年間で3,600万円となります。

一方、マンションの売却益は次のようになります。

計算式
3,000万円-(3,000万円✕20%)-(3,000万円✕25%)=1,650万円
つまり、10年後の総収入は5,250万円になります!

20年間の支出

このマンションを20年間運営した場合の住宅ローン返済額は、次のようになります。

計算式

(95,000円✕12)✕20年間=2,280万円

これに、購入時の諸経費100万円と年間経費20年分(20万円✕20年間)を加えると、次のようになります。

計算式

2,280万円+100万円+400万円=2,780万円

これにローン残債の約1,506万円を足すと20年間の支出は合計で4,286円となります。

20年間の収支

上記の条件で20年後にマンションを売却した場合、5,250万円-4,286万円で964万円の黒字になります。

つまり、20年後にマンション価格が10%下落しても黒字になります!

20年後に売却する場合は、売却額が1,290万円(57%)まで下がっても損はしないことになります。

このシミュレーションからも、長期所有したほうが利益が大きくなることはご理解いただけると思います。

「価格の下落=損」とは必ずしもならないんだね!

これは、所有期間中に家賃収入が蓄積されていくと同時に、ローン返済額に占める利息の割合が減って、元金の返済率が高くなるからです。

実際には、空室なども考慮しなければなりませんが、一般的に、ローン返済終了後はさらに加速度的に収支が改善されます。

損益分岐点から考える損しない不動産投資のポイント

損益分岐点のポイント

マンション経営をはじめとした不動産投資を成功させる秘訣は、長い期間続けることにあります。

不動産は長期間経営を続けることで損益分岐点が下がり、少々のことではビクともしない資産になるのです!

先程のシミュレーションでは、売却までの期間に空室がなかったという仮定のもとで行いましたが、10年、20年と賃貸経営する中で、一度も空室がないということはまず考えられません。

さらに、専有部分の設備の維持管理や大規模修繕工事、入居者募集に関する費用などがかかることもあります。

長期間、賃貸経営を維持することができ、損益分岐点を下げることができたら、それだけ、手元に残るお金も増えるので、不測の事態にも備えられます。

そのためにも、将来にわたり一定の賃貸ニーズがり、長く所有して利益を上げ続けられる物件に投資する必要があります。

長期間賃貸経営をするためには次のようなポイントを意識すると良いでしょう!
ポイント
  • 長く付き合える信頼できる会社から購入する
  • 耐震性・耐火性を有する構造的にも優れたマンションを買う

長く付き合える信頼できる会社から購入する

事業規模の大小に関係なく、顧客と真摯に向き合い、顧客の大切な資産である不動産の維持管理・資産価値の保全・賃貸管理に関してノウハウのある企業を選びましょう。

耐震性・耐火性を有する構造的にも優れたマンションを買う

不動産投資は、不動産の資産価値が落ちないようにするということはとても大切なことです。

投資予定の不動産の将来性はもちろん、「不動産そのものが資産価値が落ちにくいものかどうか?」「管理を委託する会社の実績や信頼できるかどうか?」も含めて総合的に判断しましょう。

まとめ

不動産投資は、不動産所有時と売却時でそれぞれキャッシュが発生します。

損益分岐点を下げて黒字物件に持って行くことができれば、売却時も高値がつく可能性が高くなります。

高値がついた時点で利益を確定させることができれば、不動産投資に成功したと言えるでしょう!

また、損益分岐点を考える際は、利回りや経費などを考慮する必要がありますが、金融機関から借り入れて不動産を購入した場合、所有時も売却時も、その借入が収益に大きく影響します。

そのため、ローンと上手く付き合い、余剰資金を効率よく使うことを意識しましょう。

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