2018年にかぼちゃの馬車問題が発生し、スルガ銀行の不正融資問題などが発覚したことにより、不動産投資に対する融資が厳しくなりました。
さらに、人口減少やオリンピック後の景気など、不動産投資をする際の将来的な不安要因もいくつかあります。
そのため、「今から不動産投資を始めるのはタイミングが悪いのではないか?」と考えている方も多いのではないでしょうか?


そこで今回は、時代の状況に左右されない不動産投資を始めるタイミングについて解説します。
目次
不動産投資を始めるベストなタイミングとは?

一連の事件もあり、2019年に入ってサラリーマンに融資をしない金融機関も増えてきました。
そのため、「今は不動産投資を始めるタイミングではない」と考えている方もいるでしょう。
しかし、不動産投資はいつの時代も参入障壁が高い投資方法です。

実際、このブームに乗って違法なスキームも出てきており、これらのスキームで不動産投資を始めた人は、取り締まりが厳しくなると思われる今後、ひやひやしながら不動産投資をしていくことになるでしょう。
果たして、このような状況が不動産投資においてベストなタイミングだったといえるでしょうか?
不動産投資にベストなタイミングはない!
そもそも、良い物件があり、融資がつき、きちんと運営していけるのなら、その時が不動産投資を始めるベストタイミングです。

また、不動産投資を始める際、どのタイミングであろうと以下のような事実は共通して存在します。
- いつの時代も不動産投資は参入障壁が高い
- 融資が出るときは物件価格が高い
- 物件価格が安いと融資が出ない
- 良い物件があり、経営ができるのなら、その時が始めるタイミング
④の良い物件が出てくるタイミングに関しては、市場の状況や経済状況とはあまり関係ありません。
ですから、不動産投資において、「不正が多発しているから」「今後の景気がどうこう」といった理由で、「不動産投資を始めるのはもう遅い」と考えるのは実にもったいない話です。
なお、実際に不動産を購入することが不動産投資のスタートではありません。
不動産投資のスタートは不動産投資に関する勉強を始めた時です。

それでは、先ほど挙げた不動産投資を始める際の共通事項に関して、もう少し掘り下げ、不動産投資を始めるタイミングについて考えてみましょう。
不動産投資はいつの時代も参入障壁が高い

「不動産投資にいい時代が来たら始めよう」と考えている方にお聞きします…
不動産投資にいい時代とは何ですか?
「融資がつきやすい」「金利が低い」「不動産価格が下落している」など、考えられるかもしれませんが、たとえ、それらの条件が揃っていても、あなたの準備が整っていなければ、ベストタイミングとは言えないですよね?
不動産投資を始めやすいタイミングなんてない
繰り返しますが、不動産投資は参入するのが難しい投資分野です。
投資用不動産の価格を見てもらえれば、参入の難しさについてご理解いただけると思います。


しかし、そんな時代が本当に不動産投資を始めるベストなタイミングだったのでしょうか?
もっと言えば、不動産投資で成功するタイミングだったのでしょうか?

そのため、「ローンが組みやすい時代」ということが、不動産投資をする上でベストなタイミングとは言えません。
さらに、不動産投資では、不動産の管理や購入後の税金、リフォームに関する知識も必要になります。
たくさんのお金や知識も必要になるという点で、不動産投資はいつだって参入するのが難しいのです。

不動産投資における銀行融資と不動産価格の関係

銀行融資と不動産価格には次のような関係があります。
- 不動産投資への融資が出やすくなる⇨物件購入したい人が増えるので物件の価格が上昇する
- 不動産投資への融資が厳しくなる⇨物件を買える人が少なくなるので物件の価格が下落する

不動産投資への融資が出やすくなる
金融機関からの融資がつきやすいタイミングというのは、「他の人も物件を買いやすいタイミング」と言えます。
そうなると、多くの人が物件を買い漁るため、不動産の価格は高騰します。

尚且つ、条件のいい物件から売れていくので、市場にはいい物件が少なくなります。
不動産投資への融資が厳しくなる
反対に、融資を受けるのが厳しい時代になると、物件の価格は下がりますが、お金がないので買えません。

2017年に不動産を購入した人は、物件の売却価格より借金の方が多くなり、売りたくても売れない状況になっている人も多いでしょう。
不動産は価格の急変が少ない商品ですが、もともとの金額が大きいだけに流動性は高くありません。
そのため、「なにかあれば売ればいいや」といった安易な気持ちで始めると失敗します。
不動産投資は十分な事前準備が重要

何度も言いますが、不動産投資を始めるタイミングに関して、万人に共通するベストなタイミングなどありません。

- 優良物件
- 不動産投資に関する知識
- 金融機関からの融資
- 資金面など投資家自身の事前準備
ただ、不動産投資に関する知識や情報量、資金の準備状況は人によって異なります。
そのため、『不動産を購入して運営を始めるタイミングは人によって違う』と心得ましょう。
また、不動産投資は物件購入前の準備段階からすでに始まっています。

より有利な条件で融資を受けるために、銀行開拓をすることも大切な仕事です。
欲しい物件が出てきたときにスムーズに購入できるように、常日頃から準備は欠かさずに行いましょう。
不動産投資の出口戦略からタイミングを考察

不動産投資では、最終的に物件を売却することで利益を確定させます。
いくら購入と売却までの運営が上手くいっても、売却で失敗するとそれまでの利益が吹っ飛ぶこともあります。
そのため、不動産投資において出口戦略を考えることはとても重要になります。
ここでは、出口戦略を立てる際のポイントをいくつかご紹介します。
- 建物の劣化をカバーできる立地かどうか
- 借入を完済するまで運営できるかどうか
- デッドクロスになったら売る
- 家賃が下がることを見越して売るタイミングを考える

建物の劣化をカバーできる立地かどうか
建物自体は時の経過と共に老朽化し、価値が下がっていきますが、立地にはあまり大きな変化はありません。
そのため、出口戦略を考える際は、「その建物が高値で将来的に取引できる立地に建っているか?」を考慮しましょう。
借入を完済するまで運営できるかどうか
金融機関から融資を受けて不動産を購入する場合、ローンを完済するまで、返済額を家賃収入から差し引くことになります。

そのため、出口戦略を考える際は、「ローンを完済するまで売らずに無理なく運営できるか?」を考えましょう。
デッドクロスになったら売る
デッドクロスとは、減価償却費と元本返済額が逆転することです。
減価償却費は実際に出費はありませんが、経費として計上できます。
これに対して、元本返済額は実際に出費がありますが経費にできません。
そのため、減価償却費と元本返済額が逆転すると、帳面上は黒字になり、所得税が増えるのに実際は元本返済で手元にお金がなく赤字になるのです。
こうなると経営は困難になるので、出口戦略では、デッドクロスの状態にならないように十分にシミュレーションする必要があります。

家賃が下がることを見越して売るタイミングを考える
建物の劣化は家賃収入の減少に繋がります。
一般的に、家賃の下落率は年1%程度と言われています。
不動産を購入する際は、家賃が下落することを想定して、「何年後に売却すれば収支が合うのか?」しっかり計算しておきましょう。

まとめ
不動産投資に参入するタイミングは人によって異なります。
しっかりと事前の準備が整い、購入後の計画も無理がなく、融資を受けられるなら、それがあなたにとってベストタイミングとなるでしょう。
「みんなが買っているから」「勧められたから」といった安易な理由で不動産投資を始めるのはおすすめしません。
