不動産の減価償却ってどうなってるの?計算の仕方と注意点

確定申告をしたことがあれば聞いたことのある単語「減価償却」。

不動産の取引をした場合にも必ず出てくるこの減価償却とは、どういう仕組みなのか気になる方も多いはず。

そこで今回は、不動産における減価償却について、以下の3つのポイントに絞って解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

  • 不動産の減価償却とは?
  • 減価償却の計算方法
  • 減価償却の注意点

不動産の減価償却とは?

減価償却

不動産の取引において、減価償却とは何のことでしょう。税金の申告や節税のためにも、減価償却の仕組みを知っておきましょう。

不動産の減価償却って、何?

そもそも減価償却とは、事業者が経費に計上するもののひとつです。時間の経過とともに価値が減っていくもので購入時10万円以上のものを購入した場合、その年に一度に計上するのではなく、何年かに分けて毎年計上することを差します

つまり、20万円のものを買ったら、その年に一度に経費として落とせるのではなく、数年で分割して経費に計上していくのです。

不動産においても、耐用年数で分割し、減価償却として計上していきます。「耐用年数」はそれぞれに対して国が定めています。耐用年数については、詳しく後述します。

減価償却を計算しなければならない場合とは?

不動産で減価償却をするためには、土地と建物を別々に考えていきます。減価償却とは時とともに価値がなくなるものに対して行われるため、土地は減価償却の対象にならないのですね。

不動産を土地建物込みで購入したとしても、減価償却の計算は、劣化していく建物のみで行い、設備費も別途計算になります。

減価償却の計算をしなければならないのは、不動産収入がある場合です。不動産収入はそのまま所得として計上しますが、不動産を購入した場合の減価償却は、経費として計上できます。

それでは、詳しい減価償却の計算方法を見ていきましょう。

不動産の節税対策!知っておきたい減価償却の計算方法

計算方法

不動産を購入した、不動産で収入があるという方は、確定申告を自分でする人が多いでしょう。少しでも得をしたいと思うのは誰しも同じですね。

そのために、減価償却の計算方法をきちんと知っておきましょう。

不動産の減価償却の計算方法は?

不動産の減価償却には、2通りの計算方法があります。

「定額法」と「定率法」と言いますが、平成28年4月1日以降に取得した建物設備の減価償却は、定額法に統一されたため、ここでは定額法の計算方法についてご紹介します。

尚、どちらの計算方法でも減価償却で損をすることはありません。

定額法は、毎年同じ金額を計上していく方法のことです。ですから、購入した年から最後の年まで減価償却の金額は変わりません。一度計算したら、翌年から同じ金額を計上すればいいということになります。

ここで問題なのが「耐用年数」です。耐用年数について次の項で詳しく述べます。

不動産の減価償却での耐用年数とは?

減価償却における耐用年数とは、購入したものが利用可能な年数のことを言います。

不動産であれば、減価償却の対象である建物が、どれくらい利用できるのか?ということですね。

不動産の耐用年数は、物件の古さにもよりますが、一般に設備や機械などの耐用年数より長めになります。

耐用年数は国の法定耐用年数が定められているので、詳細は国税庁の法定耐用年数を参照してください。(https://www.keisan.nta.go.jp/survey/publish/34255/faq/34311/faq_34354.php

主な不動産の耐用年数は以下の通りです。

  • 鉄骨鉄筋コンクリート→47年
  • 木造→22年
  • レンガ造り→38年
  • 建物設備→15年

新築の場合は、上記の耐用年数で減価償却費を計算しますが、中古物件の場合は、この法定耐用年数から(経過年数×0.8)を引いて計算する必要があります。

また、耐用年数を経過している古い物件は、「法定耐用年数×0.2」で算出されます。

不動産購入後の減価償却の計算例

では実際にマンションを購入したと仮定して減価償却の計算例を見ていきましょう。

【不動産購入の仮定】
  • RC造り中古マンションを3000万円で購入
  • 経過年数は9年2ヶ月
  • 内訳:土地=1500万、建物本体1200万、建物設備300万

不動産を購入した3,000万円のうち、減価償却の対象になるのは建物本体の1,200万と建物設備の300万です。

まずは建物本体と設備それぞれの耐用年数を出します。経過年数は、端数切り上げ、出た答えは端数切り捨てにします。

建物本体
法定耐用年数47-(経過年数10×0.8)=39
建物設備
法定耐用年数15-(経過年数10×0.8)=7

これで耐用年数が出ました。

減価償却費を出すには、単純に購入金額を耐用年数で割るのではなく、国税庁の償却率(https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/shotoku/shinkoku/070412/pdf/3.pdf)で計算します。

上の計算で出した耐用年数を元に、定額法の償却率を見ると、

建物本体→0.026、建物設備→0.143となります。

この例の場合、建物本体の減価償却費は、

「1200万×0.026=312,000円」

建物設備の減価償却費は、

「300万×0.143=429,000円」となります。

不動産の減価償却の注意点

注意点

減価償却の考え方は、他の高額購入物と同じですが、特に不動産における減価償却で注意すべきポイントをあげておきます。

不動産の減価償却は建物のみが対象

減価償却の計算方法でも述べましたが、不動産の減価償却を計算する場合、対象になるのは劣化する建物本体と建物設備に関してだけです。

土地の価値は年数を経ても劣化しないため、土地のみ購入した場合は減価償却の対象にはなりません。

不動産の減価償却を計算する時は、必ず土地と建物本体、建物設備それぞれの金額を把握しておきましょう。

不動産購入時の売買契約書に土地と建物それぞれの金額が記載されていれば、そのままの金額で計算しましょう。

不動産取得費の計算方法

不動産の減価償却には、建物のみが対象となりますが、そのためには購入した金額を、土地、建物、設備に分ける必要があります。

前述したように、売買契約書にそれぞれ記載されていれば良いのですが、もし全体の金額しかわからない場合はどうしたらいいのでしょうか?

不動産取得費を別々に出すには、固定資産税評価額を元に計算します。

固定資産税とは、不動産を所有している人すべてにかかる税金ですが、その価値によって税額が変わってきます。それが不動産に対する評価額で、「固定資産税評価額」と呼ばれるものです。

固定資産税は毎年1月1日時点での所有物件に対して課税されるので、どの時点で所有したかも重要なポイントになります。

固定資産税評価額を調べるには、以下の方法があります。

①固定資産税課税明細書

毎年1月1日時点の不動産所有者に対し、市町村から送られる明細書を確認しましょう。尚、売却する際にはこの明細書を買主に渡す必要があります。

②固定資産税評価証明書を取る

①の明細書を紛失した場合には、不動産のある役所などで「固定資産税評価証明書」を取得します。役所の窓口では身分証明書になるものが必要です。

③固定資産課税台帳を閲覧する

各役所で自分が所有する不動産についても固定資産税台帳を見ることができます。そこに固定資産税評価額が記載されています。

固定資産税評価額の明細には、土地、家屋、設備が別々にいくらなのか記載されています。それを元に、以下の計算をすれば建物の取得費が出ます。

建物の取得費=不動産の購入額×(建物の固定資産税評価額÷不動産の固定資産税の減額)

設備費や工事費も別に計算する必要がありますが、契約書にない場合は、工事費の割合を元に計算しましょう。

例えば、工事費の割合が建物60%、設備40%であれば、さきほど出した建物の取得費に、割合をかければそれぞれの取得費が出すことができます。

不動産売却の時も減価償却の計算が必要

不動産を売却した時にも減価償却が必要とは、不思議に思うでしょうが、やはり不動産によって利益が出るためにかかる「譲渡所得税」が関係してきます。

しかし、不動産を売却するに当たって、減価償却分を差し引くことで節税にも繋がるので必ず計上しましょう。

「譲渡所得税」は、所有していた期間が5年を超えると20.32%、5年以下だと39.63%となり、短い期間で売却すると税率が高くなります。

ただし、建物は買った瞬間から劣化するという考えの元、譲渡所得税の計算は、売却時点の不動産価値で行います。

この時、売却時の不動産価値を算出するために行うのが「減価償却」なのです。基本的に減価償却とは事業に使われる資産について計上できるものですが、個人の自宅用であっても減価償却の対象となっているので、ぜひ知っておいてください。

耐用年数が短い不動産に注意

不動産を購入する時、減価償却を高くしたいために耐用年数の短い不動産に目を付けることもあるかと思います。

耐用年数の短い不動産は、確かに償却率は低くなるのですが、「耐用年数が短い=古い、劣化しやすい」ということでもあり、不動産の価値としては下がりやすくなってしまいます。

自分で住む分には減価償却費を高くして節税になりますが、不動産投資で購入する分には、その後の家賃収入や売却価格の下落にも注意をした方がいいでしょう。

耐用年数の短い不動産を購入して減価償却費を高くし、短いスパンで売却するのもひとつの方法ではありますが、その場合は前述したように、譲渡所得税の税率が高くなることに注意しましょう。

不動産の減価償却まとめ

少々難しくてややこしいように思える不動産の減価償却ですが、不動産を取得するにも売却するにも必要な計算であることがおわかりいただけたかと思います。

しかしながら、一度計算してしまえば、翌年からは変更がないかだけ見直せばいいのでそんなに頭を抱えなくても大丈夫です。

不動産を購入した時も、売却した時も、正しく知っておけば節税にも繋がるので、しっかり計算しておきましょう。

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