「相続した家をフルリフォームして住みたいけど、費用はいくらぐらいかかるのか?」「予算をかなりオーバーしそうだが、相場からかけ離れた金額なのでは?」など、リフォームにおいて相場や費用は気になる方も多いのではないでしょうか?
一戸建てをフルリフォームする場合、家の大きさによっても相場は変わりますが、1,000万円を超えることも珍しくありません。
そこで今回は、フルリフォームの相場と費用の内訳、費用を抑えるコツを解説していきます。
それぞれの目的や要望に合わせたリフォームの予算組みをする際の参考にしてみて下さい。
フルリフォームの相場

まず、戸建てのフルリフォームの費用相場について、実際のデータをもとに築年数別のおすすめリフォーム内容を紹介します。
フルリフォームの相場平均は1,000万円
戸建てのフルリフォームを行った際の相場を金額だけでみると、平均値は約1,000万円です。
価格帯には幅があり、数百万円でフルリフォームした人もいれば、2,000万円以上かかるケースもあります。
リフォームの相場に大きく影響するのが、築年数とリフォーム内容です。
そこで、参考までに、築年数別に建坪25坪(83㎡)の一般的に相場をご紹介します。なお、表示価格は全て税抜きです。
築年数 | おすすめフルリフォーム内容 | 費用相場 |
---|---|---|
築20年 | 水回りの設備の交換/クロス・床張替え/屋根・外壁塗装 | 500万円前後 |
築30年 | 内装のみのスケルトンリフォーム/屋根・外壁塗装 | 1,000万円前後 |
築40年 | 内装・外装ともにスケルトンリフォーム | 1,500万円前後 |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
築20年の場合
ユニットバスやキッチンなどの水回り設備の寿命は15年~20年ほどですので、築20年くらいの戸建てでは水回りのフルリフォームがメインになってきます。
また、クロスや床も汚れや傷みが激しくなるので、張替えをおすすめします。
なお、家の寿命を延ばすために、屋根と外壁の塗装も忘れないようにしましょう。
築30年の場合
築30年になると内装はかなり傷んだ状態になります。配管も更新のタイミングを迎えるので、内装全体を新築同然に作り直すスケルトンリフォームをおすすめします。
築40年の場合
築40年になると、新耐震基準(1981年)の適用を受けていないので、耐震性に問題があります。また、耐熱対策も十分ではありません。
さらに、定期的なメンテナンスを行っていたとしても、屋根や外壁の痛みがひどくなります。
そのため、築40年の全面リフォームでは、内装も外装もすべて作り直すスケルトンリフォームをするといいでしょう。
床面積別フルリフォーム費用相場
続いて、床面積別にフルリフォームの費用相場を見てみましょう。なお、一覧の費用相場額は、木造軸組み工法の建物が前提です。
内装のみスケルトンリフォーム | 内装・外装ともにスケルトンリフォーム | |
---|---|---|
20坪 | 750~1,150万円 | 1,000~1,400万円 |
30坪 | 1,000~1,450万円 | 1,350~1,800万円 |
40坪 | 1,200~1,700万円 | 1,600~2,100万円 |
50坪 | 1,400~2,000万円 | 1,900~2,500万円 |
相場に開きがあると感じた方もいると思いますが、リフォームの費用は次のような要因でも変わってきます。
- 依頼するリフォーム業者の違い
- リフォームする建物の劣化状態
- 導入する設備のグレード
依頼するリフォーム業者の違い
リフォームを依頼する業者としては、地元の小さな工務店、中堅リフォーム会社、大手リフォーム会社の3つが考えられます。
価格は地元の小さな工務店が最も抑えられるでしょう。大手になるほど、人件費や広告宣伝費などが上乗せされるので、費用が高くなる傾向があります。
ただし、リフォームを依頼する場合は、価格だけでなく提案力や品質をしっかりとチェックして総合的に判断する必要があります。
リフォームする建物の劣化状態
建物は築年数が古い物件ほど劣化状態がひどく、リフォームの費用も高くなります。
特に、1981年以前に建てられた建物は新耐震基準を満たしていない場合が多く、基礎の作り込みも甘いので、リフォームでも建替える場合と同じくらいの費用がかかることもあります。
導入する設備のグレード
リフォームの費用は、導入する設備のグレードによっても変わってきます。
ユニットバスやキッチンなどの水回り、クロスやフローリングなどのグレードを上げれば、その分費用は高くなる傾向にあります。
ミドルグレードの量産品を使うと費用をある程度抑えることができるでしょう。
もし、低予算で雰囲気をガラッと変えたいのであれば、グレードによる価格差が小さいクロスにこだわるのもアリです。
リフォーム費用の内訳と部位別相場

リフォームの費用相場をより深く理解するために、ここでは、リフォーム費用にどのような料金が含まれているのか、また、それぞれの費用相場をご紹介します。
リフォームにかかる費用の内訳は次の2つに大別できます。
- 工事にかかる費用
- 工事以外にかかる費用
工事にかかる費用
リフォーム工事料金には主に次の3つが含まれます。
- 材料費
- 施工費(人件費)
- 諸経費
材料費には、キッチンやトイレといった設備や、壁材・フローリングなどの資材が含まれます。施工費とは、工事をする人の人件費です。諸経費は、スケジュールなどの現場管理費や、経費などが含まれます。
大規模リフォームの場合は、さらにリフォーム期間中の住まいや引っ越し費用などが必要になります。
工事以外にかかる費用
リフォームをする際は、工事費用以外に次のような料金が追加で発生する可能性があります。
小規模なリフォームではあまり気にしなくてもいいですが、間取り変更をするようなリノベーションの場合は、設計費が別途かかることが多いです。
設計費は工事費用に含まれている場合もありますが、別途発生するのか事前に確認しましょう。
リフォームの規模によっては、部屋が使えなかったり、家に住めなかったりすることもあるので、荷物を一時的に預けるスペースや、工事期間中に滞在するホテルや短期間の賃貸物件を借りる必要が出てきます。
そういったことにかかる費用も考えておきましょう。
仮住まいする場合は、滞在費だけでなく引っ越し費用やトランクルームへの荷物の運送費もかかります。
リフォーム工事期間中に職人さんが車を止める駐車場も確保する必要があります。家の敷地内に駐車スペースを確保できない場合は、その駐車場代も負担しなければなりません。
増改築を伴う大規模改修の場合には、建築確認申請が必要ですが、これにも手数料が発生します。
工事請負契約を結ぶ際に、契約書に貼り付ける印紙の代金です。
部位別リフォーム費用相場
次に、部位別のリフォーム費用の相場を見てみましょう。
トイレリフォームの料金は、20万円~50万円が相場です。
洋式便器から洋式便器への交換は、50万円以内でできることが多いですが、和式から洋式への交換や、トイレ室内を広くする場合は、50万円以上かかると考えておいた方がいいでしょう。
キッチンリフォームの相場は、50万円~150万円です。
システムキッチンの交換は、採用する設備のグレードやキッチン全体のレイアウトで価格が変わってきますが、100万円くらいを想定してればいいでしょう。
ただ、壁付け型のキッチンをアイランド型キッチンに変更する場合などは、給排水の工事も必要になってくるので、100万円以上かかることが多いです。
浴室リフォームの費用は、150万円以内で収まることが多いようです。
最も多い、ユニットバスへの工事で50万円~80万円ほどです。在来工法からユニットバスへのリフォームの場合は、解体費用が高くなるので、70万円~100万円ほどが相場です。
洗面所リフォームの相場は、20万円~50万円が中心価格帯です。
スタンダードなグレードのユニット洗面台の交換が主流ですが、最低限の機能を備えたシンプルな商品であれば、20万円以下で設置することも可能です。
外壁塗装は、安いもので1坪当たり12,000円くらいからありますが、耐久性の高いものだと20,000円以上します。
ただ、耐久性に優れた塗料を選んでおいた方が、長期的な視点で考えると、コストパフォーマンスが良かったりもするので、塗料選びは慎重に進めましょう。
屋根塗装は屋根の面積と使用する塗料によりますが、ほとんどの場合、100万円程度で済みます。
ただ、屋根の重ね葺きや葺き替えの場合には、既存屋根の撤去費用も追加されるので、予算は100万円~150万円とみておきましょう。
門扉やアプローチ、フェンスなどの家のまわりの部分は、外構・エクステリアと呼ばれ、どの程度の範囲でリフォームするかで費用が若干違います。
門扉の修繕など小規模なものは10万円~20万円程度ですが、家のまわり全体にフェンスを巡らすような場合は、50万円を超えることもあります。
リビングリフォームは、内装リフォームと間取り変更などを伴う大規模工事かで費用相場が大きく違います。
内装リフォーム(クロス)のみであれば、平米あたり1,000円~3,000円なので、15畳の部屋であれば30万円程度です。
けれど、間取り変更を含むとかなり大規模になるので、100万円~300万円ほど必要になります。
リフォームの費用を抑えるコツ

リフォームをする際に知っておくと、場合によっては相場より安く費用を抑えることができるかもしれない技や制度をここでは紹介します。
- 優良な工務店を見つける
- 住宅ローンを活用しよう
- 補助金・減税を活用しよう
優良な工務店を見つける
先ほどもお話しした通り、どのようなリフォーム会社に依頼するかで金額は変わってきます。
リフォームを考える際は、複数の業者に相見積を取るようにしましょう。
住宅ローンを活用しよう
リフォームをする際にローンを活用する人もいると思いますが、フルリフォームの際は、リフォームローンと住宅ローンのどちらかを利用できます。
中古住宅の購入に合わせてリフォームを行う場合は、住宅ローンを活用することをおすすめします。なぜなら、中古住宅の購入費用と合わせて申請できるからです。
リフォームローンと住宅ローンの違いをまとめると次のようになります。
リフォームローン(担保なし) | 住宅ローン(担保あり) | |
---|---|---|
初期費用 | なし | 約20万円 |
金利相場 | 2.5%~4.5% | 0.5%~2.5% |
借入限度 | 500万円 or 1,000万円が多い | 1億円が多い |
借入期限 | 最長5年 or 10年が多い | 最長35年が多い |
団体信用保険 | 原則なし | 原則あり |
手続き | 簡単・審査が短い | 煩雑・審査が長い |
補助金・減税を活用しよう
フルリフォームには、使える可能性がある減税や補助金制度がありますので、こちらも活用しましょう。
ここでは、その一部をご紹介します。
投資型減税 (現金orローン) | ローン型減税 (5年以上のローン) | 住宅ローン減税 (10年以上のローン) | |
---|---|---|---|
耐震リフォーム | 最大25万円 | - | 10年間で最大400万円 |
省エネリフォーム | 最大25万円 | 5年間で最大62.5万円 | 10年間で最大400万円 |
バリアフリーリフォーム | 最大20万円 | 5年間で最大62.5万円 | 10年間で最大400万円 |
この他についても、固定資産税や贈与税も耐震などのリフォームで減税措置が受けられます。
耐震、省エネ、バリアフリーに関するリフォームについては、補助金制度もたくさんあります。
内容については、各自治体によって異なるので、それぞれの自治体でどんな制度を実施しているのか調べてみることをおすすめします。
まとめ:膨らみがちなリフォーム費用!相場より高いなら見直そう
予算をある程度決めていたとしても、いろいろと欲が出てきたリ提案を受けたりして、リフォーム費用が相場をはるかに超えてしまうこともしばしばあります。
あまりにもリフォーム費用が高額になるようであれば、一度本当に必要か考えてみましょう。
フルリフォームするなら制度やローンの優遇措置も上手に活用しよう
フルリフォームともなれば、相場も大幅に違ってきます。制度やローンの優遇措置もあるので、しっかりと調べて活用しましょう。
また、納得のいくリフォームをするには、優良なリフォーム会社を見つけることも大切です。相見積をとり、気になることは遠慮なく相談して、焦らずに探すことをおすすめします。
リフォームは、場合によっては、建て替えるのと同じくらい、費用も手間もかかることがあります。相場をしっかりと押さえて、計画的に進めてくださいね。
最後に、リフォームの一括見積りができるおすすめサイトをいくつかご紹介するので、ぜひ活用してみてください。
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