不動産投資において、中古マンションの市場は年々拡大しています。

そのため、不動産投資の中でも「中古マンション投資を始めたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで今回は、中古マンション投資で成功するために押えておくべき8つのポイントをご紹介します。
目次
中古マンション投資では人口減少地域の物件は買うべからず

物件サイトなどで中古マンションを検索してみると、利回りが良かったり、購入価格が1,000万円以下といった物件が目につきます。
高利回りで購入価格が安いとなるとついつい飛びつきたくなりますが、その物件、郊外や地方にありませんか?
もしそうなら、安易に購入するのは危険です。
地方や郊外にある中古マンションに投資するなら将来性を見よ!
基本的に、郊外や地方にある中古マンションへの投資はおすすめしません。
なぜなら、人口減少傾向にある日本において、地方や郊外の物件は今後賃貸需要が減る可能性が高いからです。


そのため、中古マンションに投資する際は、その物件がある市区町村の人口動態は必ず調べましょう。
さらに、「開発計画があるか?」「幹線道路などの整備が進むか?」など、将来人口が増えそうな環境が揃っているかどうかも加味してから、実際に購入するか判断しましょう。
中古マンション投資は家賃に注意すべし

中古マンションを選ぶ際に、注意してほしいことの一つに『家賃』があります。
利回りがいくら良くても家賃が低いと、その物件に投資はすべきではありません。

中古マンションに投資するかの判断は家賃6万円が最低ライン
投資という側面だけを考えると、利回りが高い物件は魅力的です。
ただ、不動産投資の場合、毎月発生する費用も無視できません。
毎月の管理費用や修繕積立金は、家賃水準とは関係なくかかる費用で、家賃がいくらでもかかる費用は一定です。
例えば、地方で家賃3万円のマンションのケースであれば、賃貸管理費や修繕積立金をあわせると、8,000円~1万円はかかります。

また、毎月の費用だけでなく、退去時の「原状回復費」や「設備修繕費」なども必要です。
そのため、中古マンションに投資する際には、利回りだけでなく家賃水準にも注意しましょう。
具体的な目安として、家賃が6万円を下回るような中古マンションには投資しないことです。
中古マンション投資では築古物件に注意すべし

中古マンション投資では、築古物件を検討している方もいると思います。
築古物件は価格も安く魅力的ですが、あまり古すぎると現行の耐震基準を満たしていないこともあるので、注意が必要です。
修繕積立金は大丈夫?中古マンションならではの心配事
もし、投資しようとしている中古マンションが1981年以前に建築されたものなら、新耐震基準を満たしていない可能性があります。

また、築年数が15年前後の物件も注意が必要です。
なぜなら、築15年というのはマンションの大規模修繕が行われるタイミングだからです。
大規模修繕は、修繕積立金と各戸からの毎月の積立金によって行われます。

積立が計画通りに行われていないと、「大規模修繕の費用が足りない」といった事態になり、修繕積立金の増額や一時金という形で徴収されることがあります。
こうなると、収支が悪化してしまう可能性があるので、築15年前後の物件へ投資する場合は、修繕積立金の状況なども確認した方が良いでしょう。
中古マンション投資は「そこに自分が住みたいか?」を考えるべし



物件をチェックする場合は、入居者目線になってその物件をチェックすることも大切なのです。
その中古マンションの周りには何がある?
不動産投資を考える際は、賃料と物件の状態のバランスが取れているかも考えましょう。
物件そのものについて言えば、「部屋の広さ」「間取り」「設備」など、ターゲットが求めるものにフィットしているかよく考える必要があります。

スーパーや病院など、「生活に必要な施設が充実しているか?」「最寄りの駅から物件までにどんなお店があり、何時まで営業しているのか?」などもしっかりとチェックしましょう。
また、「危険な場所はないか?」「女性が夜一人で歩いていても心配ないか?」など、治安面も十分配慮する必要があります。

中古マンション投資では問題点を見抜くことが重要

中古マンション市場には、「価格が安い」「高利回り」「アクセスも設備も良い」といった、全てが揃っている物件はまずないと考えましょう。


ですから、「市場に出回っている中古マンションにはなんらかの問題がある」と考えるべきです。
その問題は想定内?中古マンションに投資するならリスクを予想しよう
市場に出回っている物件は、「他の物件に比べて何かしら劣るところがある」と考える必要がありますが、そこから生じるリスクがカバーできる範囲内かどうかを見極めましょう。
中古マンションが抱える問題としては、『物件そのものが抱える問題』と『売主サイドの問題』の二種類が考えられます。

- 利回りは良いが駅から遠くて空室リスクを抱えている
- アクセスは良いが築年数が20年を超えていて老朽化が目立つ
- 入居者の満足度が低くすぐ退去してしまうので空室期間が目立つ

- 購入時から物件が値下がりしていて早いうちに損切りしたい
- 別のもっと良さそうな物件に乗り換えたい
- 大規模修繕前に売ってしまいたい
物件の抱える問題を見極め、「それが自分のカバーできる範囲内のものなのか?」「そのリスクを負ったとして、価格は適正か?」など、しっかりと考えましょう。
中古マンションへ投資では瑕疵で想定外の費用がかかると心得よ

中古マンション投資では、『瑕疵の有無』もきちんと確認しなければなりません。
新築マンションであれば、物件に瑕疵があった場合、売主に10年の瑕疵担保責任がありますが、中古マンションの場合、契約書で瑕疵担保責任が数ヵ月に設定されたり免責されることが多いです。


こういった事態を防ぐためにも、中古マンション投資をする場合は必ず内見をしましょう。
内見する際は以下のような項目を念頭に、瑕疵がないか入念にチェックしましょう。
- 給湯器やガスコンロなどが正常に動作するか
- 給排水管の故障など水回りのトラブルはないか
- クローゼットの中などにカビやシミがないか
- 雨漏りはないか
- シロアリなどの害はないか
- ドアの開閉に問題がないか
一度のチェックで瑕疵が見つからないことはありますし、入居者がいて物件を隅々までチェックしづらいというケースもあるでしょう。
ただ、購入後に後悔しないためにも、できる限り何度もチェックして瑕疵の有無を確認しましょう。

費用は一回5万円程度ですが、プロの目で瑕疵をチェックしてもらえるので、自分では気づかなかった瑕疵が見つかり、高額な修繕費用などをセーブできて、結果的に安く済むということもあり得ます。
中古マンション投資をするなら管理会社もチェックすべし

中古マンションに投資するなら、建物自体がきちんと管理されているかも非常に重要なポイントになります。
特に、中古マンション投資の場合は、『ソフト面』のチェックを重点的に行う必要があります。

具体的には、「管理費」「修繕積立金の滞納率」「修繕積立金の残高」「修繕履歴」「長期修繕計画」などを確認すると良いでしょう。
また、実際に投資を検討している中古マンションに関して、下記の点をチェックして、管理がきちんとされているか見極めてください。
- エントランスや階段・廊下・ゴミ置き場が定期的に清掃されているか
- エレベーターが定期的にメンテナンスされているか
- 消防設備の定期点検が行われているか
- 貯水槽や浄化槽の点検はなされているか
- 修繕履歴などがきちんと残っているか
- 管理組合は機能しているか

中古マンション投資での失敗談をご紹介

ここでは、中古マンション投資での具体的に失敗談をご紹介します。

【失敗談その1】購入直後に思わぬ出費が発生
ある不動産投資の初心者が初めて中古マンションを購入。投資対象物件は、都内にある当時築25年の中古ワンルームマンションです。
購入直後に入居者から「突然、床下から水が湧いた」というクレームが入りました。
原因は、老朽化した給水管が、コンクリートの内側で破裂したことです。
この中古マンションが建てられたのはバブル期で、その頃のマンションの給水管は金属管が多く、腐食しやすい物が多いということをこの投資家は知りませんでした。
管理会社によると、「解決のためには長期にわたる根本的な工事が必要」とのことでした。
結局、早急に対処してほしい入居者は退去してしまい、工事費用と家財に対する損害賠償請求などで、総額300万円の想定外の出費となりました。
【対策】中古マンションは大規模修繕前提で購入する
中古マンションは、新築や築浅物件よりも購入価格は安いですが、耐用年数が短いのがデメリットです。
特に、築30年を超える物件の場合、大規模な修繕を前提にしておかないと失敗談のような想定外の大きな出費が発生する可能性があります。
そのため、修繕履歴や積立修繕金の状況、管理組合の修繕計画等の確認をして、「どの時点でいくらくらいの修繕費用が必要なのか?」を念頭に入れた上で購入するか検討しましょう。
もう一つ、気をつけるべきことは、中古マンションは住宅瑕疵担保履行法の保険適用外ということです。
瑕疵に対する保証の責任を「瑕疵担保責任」と言いますが、個人間の売買では、この瑕疵担保責任期間は長くても1年程度です。

この期間を過ぎた後に中古マンションの欠陥が見つかっても、オーナー自身が修繕しなければならないことがほとんどなので注意しましょう。
また、瑕疵に関しては、平成21年に「住宅瑕疵担保履行法」の全面施工を受け、築10年以内の住宅に欠陥があった場合、修繕費用には保険が適用されるようになりました。
この保険は、国土交通大臣指定の「住宅瑕疵担保責任保険法人」が対応するので、ゼネコンやデベロッパーが倒産しても修繕費用は保証されます。
しかし、この法律の条件は、『第1売主が第1買主に対して瑕疵担保責任を負う』というものです。
これはどういうことかというと、築10年以内の住宅でも、転売されて、一度中古物件となってしまったら、その時点で保険は引き継がれなくなります。

このように、中古マンションには修繕や瑕疵のリスクがあります。
そのため、これらを改善する費用を想定して資金計画を立てておく必要があるのです。
【失敗談その2】家賃保証を過信して多額の借り入れをしてしまう
ある投資家が中古マンションの購入を検討していました。
中古マンションは金利が高く設定されていることが多いため、なかなか始めることができずにいました。
そこで、仲介の不動産会社が「家賃保証が付いているので高金利でも大丈夫ですよ!」と持ち掛けてきました。
投資家は、「それなら金利が高くてもキャッシュフロー的には問題ないだろう!」と、安易に考えてしまいました。
いざ不動産投資を始めてみると、空室が目立ち、ローンの返済が滞ってしまいました。
【対策】家賃保証の話を持ち掛けられたら一度疑ってみる

なぜなら、中古マンションの場合、家賃を下げないと入居者が入らないケースも少なくないからです。
また、契約更新時に家賃保証の金額を下げられてしまうこともあります。
そうなると、毎月のローン返済額が家賃保証の金額を上回るケースも出てきて、資産どころか負債を負うことになるのです。
さらに、家賃保証を契約に付加すると、定期的な修繕も家賃保証を行う不動産会社に一任しなければならないことも多いです。
こうなると、指定業者以外に選択肢がないため、高額な修繕工事を必要以上に行われる可能性もあり、収益性が大幅に低下する危険もあります。


そもそも、家賃保証が付いている中古マンションの場合、『そういった保証をつけないと買主が見つからない』ということを意味しています。
そのため、家賃保証の話を持ちかけられた場合、まずは、「その中古マンションには大きなリスクがあるのでは?」と、一度疑ってみると良いでしょう。
また、「金融機関からなかなか融資を受けられない or 受られたとしても金利が高い」という場合、金融機関は「その物件は収益が見込めない」と考えているケースが多いです。
そのことも加味して、本当に投資すべきか再検討するようにしましょう。
まとめ
中古マンションへの投資は、初期費用が抑えられることが多く、一見魅力的に思えますが、紹介してきたようなリスクもあります。
また、新築では考慮しなくてもいいようなことも念頭におく必要があり、その分知識や情報が重要になってくると言えるでしょう。
そのため、初心者の方であれば、はじめから中古マンションに絞るのではなく、投資目的を明確にした上で、その目的に沿った物件を探すようにしましょう。
