この記事をご覧の皆さんの中には、副業禁止の関係から「公務員は不動産投資を行うことができない」と思っている人もいるのではないでしょうか?
結論から言うと、公務員でも不動産投資を行うことが可能です。

そこで今回は、公務員が不動産投資を行うための条件やメリットについて徹底解説していきたいと思います。
目次
公務員は副業が禁止されている?

基本的に、日本の公務員は副業を行うことができません。
ただ、例外として、承認または許可を得れば副業が可能だと法律で明文化されています。

- 国家公務員:内閣総理大臣や所轄庁の長が人事院規則14-8の規定を判断して承認される必要がある
- 地方公務員:任命権者(知事や市長)の人事委員会規則や条例規則で定めた基準をベースにした許可を受ける必要がある
公務員が不動産投資を行うための条件とは?

公務員が不動産投資を行う場合、ある一定の規模や家賃収入以下の場合には、原則的に副業にあたることはありません。
しかし、一定以上の事業規模や家賃収入がある場合には、副業禁止規定との関係から、副業にあたると判断されてしまいます。
では、具体的に、どのような事業規模や家賃収入の場合に副業にあたるのでしょうか?

- 一定規模以下の不動産賃貸業であること
- 不動産の管理を自ら行わないこと
- 年間の家賃収入が500万円以下であること
一定規模以下の不動産賃貸業であること
公務員の不動産投資は、一定規模以下や、特定の使用用途で不動産賃貸業を行っている場合には、副業禁止規定に抵触することはありません。

では、具体的に、どのような規模であれば良いのでしょうか?
不動産投資といっても、その中身によって違いがあるので、以下で詳しく解説していきます。
物件を賃貸する場合
物件の賃貸を行う場合、以下のような規模以上や物件の用途の場合には、副業にあたることになります。
- 独立家屋の賃貸を行う場合、独立家屋の数が5棟以上ある
- 独立家屋以外の建物の賃貸を行う場合、貸与することができる独立的に区画された部分の数が10室以上である
- 劇場、映画館、ゴルフ練習場などの娯楽や遊戯のための設備を備えた不動産である
- 旅館やホテルなどの業務に使用される不動産である
物件以外を賃貸する場合
物件以外の賃貸を行う場合、以下のような規模以上や、物件の用途の場合には副業にあたることになります。
- 建築物である駐車場、機械設備を備えた駐車場で、駐車台数が10台以上である
- 土地の賃貸を行う場合には、賃貸契約の件数が10件以上である
不動産の管理を自ら行わないこと
上記で説明したようなケースにあたらない場合であっても、不動産の管理を自ら行ってしまった場合には副業にあたることになります。


つまり、国家にとって不利益になるとみなされてしまうのです。
そのため、不動産投資を行う場合には、所有物件の管理は全て管理会社に委託する必要があります。
年間の家賃収入が500万円以下であること
物件の賃貸や駐車場の賃貸によって発生する年間家賃収入の額が年額500万円以上である場合にも、副業にあたることになります。
(物件の賃貸と駐車場の賃貸を併せて行っている場合には、両家賃収入の額の合計額)
例えば、1部屋の家賃が7万円程で、5部屋あるアパートを経営している場合、月間の家賃収入が35万円で年間家賃が420万円になります。
つまり、これ以部屋数を増やすと、年間の家賃収入が500万円以上になるので、副業として判断されてしまいます。
そのため、公務員が不動産投資を始める場合、「家賃設定」や「事業規模」には細心の注意を払う必要があるのです。
公務員でも許可を得れば不動産投資が可能?



では、どのようにして許可を取り、どのような書類などが必要になるのでしょうか?
具体的には、以下のようになります。
- 所属している部署の所属長に報告し、雇用されている省庁役所からの許可が必要
- 人事院が公開している「自営兼業承認申請書(不動産等賃貸関係)」という書類を記入し提出
- 委託契約書など、職員の職務の遂行に影響がないことを明らかにする調書の提出
- 「事業報告書」「組織図」「事業場の見取り図」等の当該事業の概要を明らかにする書面の提出


公務員が不動産投資を行うメリットとは?

ここまで、公務員が不動産投資を行うための条件など解説してきましたが、「どんなメリットがあるのか知りたい」という方も多いのではないでしょうか?
そこで最後に、公務員が不動産投資を行うことのメリットについて解説していきます。

- 融資が受けやすい
- 本業と並行して不動産投資ができる
- 本業の安定したキャシュフローによって安定経営ができる
融資が受けやすい
金融機関が融資を行う際には、個人の『属性』などから、返済能力の高さを審査し、融資を行うかどうかの判断をしてします。

- 年収や勤続年数
- 保証人
- 資産規模
- 借入気の有無
公務員は民間企業のサラリーマンと違い、原則的にリストラなどにより解雇されることがありません。
また、収入が一定年数にわたり安定しているため、信頼度が高く「良い属性」とみなされるので、金利や借入期間など条件で有利になることが多いのです。

本業と並行して不動産投資ができる
基本的に、公務員が不動産投資を行う場合、兼業禁止規定への抵触を防がないといけないので、管理会社に委託することになります。
そのため、本業に支障をきたすことなく不動産投資を行うことができます。

本業の安定したキャシュフローによって安定経営ができる
前述の通り、公務員は原則的にリストラなどによる解雇がないので、収入が一定年数にわたり安定しています。
つまり、もし空室などが発生したとしても安定的な不動産経営が可能になります。

まとめ
公務員の不動産投資について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
『公務員=副業禁止』という勝手なイメージから、不動産投資を始められなかった人も多いのではないでしょうか?
ですが、公務員でも条件次第では不動産投資を含む副業を始めることが可能なのです。
公務員の方で「不動産投資を始めたい」と思っている方は、この記事で解説したポイントに注意して、不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか?
