不動産を所有する際に必ず押さえておくべき名義変更7つのポイント

不動産投資において、不動産を売買する際には名義変更を行う必要があります。

また、不動産投資に限らず、相続、生前贈与、財産分与など、不動産の所有権が移る場合には必ず名義変更をしなければいけません。

しかし、不動産の名義変更は、相続や財産分与など、ケースごとにそれぞれ必要となる書類が違い、手続きも複雑で苦労する方も多いでしょう。

そこで今回は、各ケースごとに不動産の名義変更のやり方や必要書類を解説していきたいと思います。

不動産の名義変更はなぜ必要?

必要性

不動産を取得した場合は、不動産の名義変更をしないと対外的に自分の所有物にはなりません。

不動産の名義変更は、名義変更手続き(登記)をすることでできます。名義変更手続きは、自分でも行うことができるので、プロに依頼するか迷っている人もいるでしょう。

そこで、不動産の名義変更が必要なケースと、プロにお願いするかどうかの判断基準についても解説します。

不動産の名義変更が必要な理由

不動産の名義変更は、正式には「所有権移転登記」のことです。新築の場合は、「所有権保存登記」となります。

いずれにせよ、名義変更は自分の名義で登記して、その不動産を自分が所有していると証明する行為です。逆に言えば、不動産の売買契約が成立しても、登記をしない限り、その不動産は本当の意味で自分のものにはなりません。

また、名義変更において、不動産を取得するにいたった理由のことを「登記原因」と言い、売買、相続、財産分与、生前贈与の4つがあります。

例えば、親からの相続で名義変更をする場合は、登記原因は「相続」、中古不動産の売買時に名義変更する場合は、登記原因は「売買」になります。

こういった登記原因は、名義変更する際の登記申請書に必ず記載する必要があります。さらに、登記原因によって必要となる書類も違ってきます。

そこで、次章以降から、各ケースごとの名義変更の流れを解説します。

不動産売買における名義変更

不動産売買

不動産の名義変更で最も代表的なのが「不動産売買」です。新築の場合は、売主が表題登記を行い、その後に買主が所有権保存登記を行います。中古の場合は、売主から買主へ所有権移転登記を行います。

不動産売買の場合の名義変更の流れと必要書類

不動産売買での名義変更の流れは、以下のようになります。

  1. 売買契約の成立
  2. 買主を確定するための戸籍、住民票などの書類を用意
  3. 不動産の名義変更の申請書類を作成
  4. 売主を確定する登記簿謄本を取得
  5. 売主が物件の引き渡し・買主が売買代金を支払う
  6. 決済後に管轄する法務局に申請

抵当権抹消登記がある場合は、法務局へ行く前に金融機関に行きます。登記はその場で完了するのではなく、申請をしてから2~3週間後に完了します。

不動産売買での名義変更に必要な書類は次のものになります。

  • 売主:登記識別情報(権利書)/印鑑証明書(3ヶ月以内のもの)
  • 買主:住民票
  • その他:固定資産評価証明書(名義変更年度のもの)/売買契約書

この他に、抵当権抹消登記があれば、金融機関で必要書類を受け取ります。引渡し当日に金融機関に行った際に、抵当権抹消登記に必要な書類を受け取るためには、売買契約締結後に、売主が早めに金融機関と話し合っておく必要があります。

名義変更の期限については、不動産売買の場合は制限がありません。けれど、名義変更しないと第三者に取得した不動産が自分のものであると証明できないので、引き渡し日(当日)に法務局で登記申請するのが一般的です。

仮に、あなたが購入した不動産について、引渡し当日に登記しなかったら、売主が善意無過失の第三者とも不動産の売買契約を結んだ場合、その人が先に登記すれば、その不動産の所有権は、あなたではなくその人のものになります。

すべてのケースに当てはまるのではないのですが、不動産の所有権は基本的に登記を先にした方に決まります。ですから、登記申請は、引き渡し当日に行いましょう。

これらの名義変更の手続きは、司法書士に依頼することができ、こちらのほうが一般的でしょう。司法書士は金融機関側が紹介することもあります。

司法書士に依頼した場合、法務局に行くのは司法書士だけです。報酬は司法書士によっても違いますが、一例を紹介します。なお、別途、登録免許税もかかります。

  • 所有権移転登記の報酬:35,000円~
  • 抵当権抹消登記の報酬:10,000円~

相続における不動産名義変更

相続

次に不動産の名義変更が必要になる原因として相続があります。遺産相続で不動産を取得した場合、相続人の名義変更手続きを行い、相続登記をします。

相続の場合でもトラブルの原因になるので、速やかに名義変更しましょう。

相続の場合の不動産名義変更の流れと必要書類

遺産相続には3つのパターンがあります。

  • 法定相続通りに財産を分割
  • 遺産分割協議書を作成して財産を分割
  • 遺言書に従い財産を分割

法定相続の場合は民法に定められた割合で財産を分割します。遺産分割協議書は、相続人同士の話合いで分割割合を決めます。遺言書は、亡くなった人(被相続人)が残した遺言書に従って分割します。

遺言書がある場合も、一定の要件のもと、遺言書の内容とは違う分割方法も可能です。そのため、遺産分割協議書を相続人同士の話合いのもと、作成することもあります。

相続における不動産名義変更の流れは次の通りです。

  1. 不動産に関する情報を収集
  2. 所有者を確定するために登記簿謄本を取得
  3. 相続人を確定するために戸籍、住民票などの書類を取得
  4. 固定資産税の評価証明書を取得
  5. 相続登記申請書類を作成
  6. 相続登記を管轄する法務局へ申請
  7. 登記の完了を確認

相続に関する不動産名義変更にも期限はありません。ただ、名義変更せずに放置する物件が増えたせいで、空家が増えて社会問題になっています。また、登記をしないと売買や賃貸など、不動産活用ができません。相続時も遅滞なく登記をしましょう。

相続時の不動産名義変更に必要な書類は次の通りです。

  • 被相続人:戸籍謄本、除籍謄本、住民票の除票
  • 相続人:戸籍謄本、住民票
  • その他:固定資産評価証明書、相続関係説明図

法定相続分以外で名義変更する場合は、遺産分割協議書印鑑証明書遺言書が必要です。

相続の場合の不動産名義変更も司法書士に依頼することができます。費用の一例を紹介します。相続の場合も、別途登録免許税がかかります。

  • 司法書士報酬:50,000円~
  • 遺産分割協議書作成:10,000円~

財産分与の不動産名義変更

財産分与

離婚した場合に財産を分け合うことを財産分与と言いますが、当然、不動産も分与の対象になります。この際も名義変更が必要です。

財産分与の場合の不動産名義変更の流れと必要書類

夫婦間で不動産をどう分けるかの財産分与に関しては双方の合意が必要です。離婚と同時に決めることが多いですが、離婚後に財産分与を請求することもできます。離婚後2年以上経過してしまうと財産分与を請求する権利がなくなってしまうので、注意しましょう。

財産分与における不動産名義変更の流れは、次の通りです。

  1. 夫婦間で不動産の分け方の財産分与を話合い、合意
  2. 元の名義人を確定するために登記簿謄本を取得
  3. 新しい名義人を確定するために戸籍、住民票などの書類を取得
  4. 不動産の名義変更の申請書類を作成
  5. 管轄する法務局へ申請

また、財産分与の場合、マイホームのローン残債があった場合は名義変更できるのだろうか?と心配な人もいるかもしれませんね。

この場合は、原則ローンを借り入れている金融機関の承諾が必要になります。しかし、金融機関は住宅ローンの名義人が居住することを前提にローンを融資しています。ですから、離婚でローンの名義人がその家から抜けるという場合に、金融機関側が承諾することは稀でしょう。

新しい名義人が住宅ローンを組み直せば問題ないですが、その場合は再度住宅ローンが必要になります。

財産分与における不動産名義変更を行う場合は、次の書類が必要になります。

  • 渡す側:登記識別情報(権利書)/印鑑証明書(3ヶ月以内)
  • 受ける側:住民票
  • その他:固定資産評価証明書/離婚協議書/戸籍謄本

財産分与における不動産名義変更を司法書士に依頼した場合の報酬の一例としては次の通りです。この場合も別途登録免許税がかかります。

  • 司法書士報酬:46,000円~
  • 離婚協議書作成費用:10,000円~

生前贈与の不動産名義変更

生前贈与

生前贈与は、財産を所有している人が他の人に財産を譲り渡すことです。主に節税を目的に行われることが多いです。

生前贈与の場合の不動産名義変更の流れと必要書類

生前贈与する場合、確定申告をして納税をしたり、税金の特例を利用するので、贈与内容を証明するための、「贈与契約書」や「贈与証書」を作成するのが一般的です。

生前贈与における不動産名義変更の手続きは次のような流れです。

  1. 所有者を確定するために登記簿謄本を取得
  2. 受贈者を確定するために戸籍、住民票などの書類を取得
  3. 生前贈与による不動産名義変更の申請書類を作成
  4. 管轄する法務局に申請

こちらも他の名義変更と同じように期限はありませんが、名義変更をしないと相続時に相続税がかかってしまうことがあるので、節税対策のことを考えると、早めに名義変更することをおすすめします。

生前贈与での不動産名義変更に必要な書類は次の通りです。

  • 贈与者:登記識別情報(権利書)/印鑑証明(3ヶ月以内)
  • 受贈者:住民票
  • その他:固定資産評価証明書/贈与規約書や贈与証書

生前贈与の際の不動産名義変更を司法書士に依頼した場合の費用は、概ね以下の通りです。また、他の名義変更と同様、別途登録免許税がかかります。

  • 司法書士報酬:46,000円~
  • 贈与契約書作成:10,000円~

不動産の名義変更を司法書士に依頼するか迷った時の判断基準

判断基準

不動産の名義変更を司法書士に依頼した場合にかかる費用の目安を見て、自分で名義変更したほうがいいと思った人もいるでしょう。

不動産の名義変更には専門書類の作成が必要です。これを自分でやって不備があった際は、大きな損失につながる場合もあります。少しでも不安な場合は、専門家にお願いしましょう。

不動産の名義変更を自分でするか決めるポイント

これから紹介する3つのことを基準に、不動産の名義変更を自分でするかどうか判断してもいいでしょう。

専門家に依頼すべき書類

基本的に専門書類が必要な場合は、専門家に作成をお願いした方がいいでしょう。

例えば、相続時に戸籍謄本を出生までたどる必要があります。ただ、戸籍は過去に何度か改製されており、その改製によって書式が変わっていることが多いです。それぞれの表記を読み解く必要があり、これは素人にはなかなか大変な作業です。

さらに、遺産分割協議書や贈与契約書、離婚協議書などの専門書類も、書式や表記の仕方を間違えると後で大変なことになるかもしれません。

そのため、名義変更において、専門書類の作成などが必要な場合は、司法書士に手続きをお願いしたい方が賢明でしょう。

名義変更する不動産の数が多い

名義変更をする際は、敷地権化されていない限り不動産ごとに手続きが必要です。

例えば、一戸建の場合、土地と建物部分それぞれで名義変更が必要になってきます。名義変更する不動産の数が多ければ多いほど、手続きも複雑で煩雑になるので、複数の不動産の名義変更をする場合も専門家に依頼した方がいいでしょう。

時間がない

名義変更の諸手続きを自分でやろうとするとかなりの時間と労力が必要です。面倒くさいからと言って適当に手続きをしてしまうと、後で後悔することにもなりかねません。

専門家にお願いすると高くつくと決めつけずに、まずは名義変更に必要な概算金額を司法書士事務所に連絡して、出してもらいましょう。

まとめ:不動産名義変更はプロにお願いすべき?

不動産の名義変更は、司法書士に依頼するのが一般的です。不動産の名義変更には、作成する必要がある書面も、取得する書面もあるので、正直素人がやるのはかなり大変でしょう。

それでも不動産名義変更の費用を抑えたい!そんな時は

書類の作成や取り寄せる労力と時間を考えると、プロにお任せすることをおすすめしますが、少しでも費用を抑えたい場合は、次のポイントを押さえて行動しましょう。

  • 司法書士にすべてを依頼する場合は、おまかせコースのような均一料金を採用している司法書士事務所がおすすめです。
  • 司法書士に依頼する際に、書面で手続き費用を説明してくれる事務所を選びましょう。司法書士に会わずに依頼すると、後で予想以上の費用を請求される場合もあります。
  • 不動産の名義変更で、必要書類を自分で取得できる書類については、自分で取り寄せることも料金を抑える一つの方法です。

不動産名義変更にかかる費用はだいたい決まっていますが、どこまで自分がやるか、また、どんなサービスを利用するかで若干料金は異なってきます。

金額と手間とリスクを加味して、自分にとってベストな方法で名義変更を行いましょう。

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2018.10.31

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