不動産投資の成功には『税金』に関する知識が必要不可欠になります。

そのため、税金の知識を持たずに不動産投資の成功はないと考えておいていいでしょう。
また、知識を磨くだけでなく、不動産投資に強い有能な税理士とタッグを組むことも大切になってきます。
そこで今回は、不動産投資における税金の基礎知識や有能な税理士の探し方について解説します。
目次
不動産投資のおける『税金』の基礎知識

不動産投資を実際に始めると、税金に関する様々な知識が必要になってきます。

そこで、まずは不動産投資における税金の基礎知識について解説します。
税金問題は物件購入時から発生する?
すでに不動産投資をしている方なら、日々の経費の記帳から年度末の確定申告まで、会計面の事務処理が日課になることはご存知でしょう。
また、税理士に依頼するとお金がかかるので、「自分で勉強しながら不動産投資をしたい」と考えている方もいると思います。
ただ、税金の知識の有無によって不動産を購入した時点で大きく差がついてしまうので、注意してください。

さらに、購入後に名義人を変更しようとすると、「不動産取得税」などの税金が数百万円単位でかかってくることもあるので、税金については緻密にシミュレーションしておく必要があるでしょう。
また、不動産購入時の『建物の金額割合』も税金のことを考える上では重要です。
なぜなら、購入時に決定した建物金額によって、経費に計上される減価償却費が決まるからです。

経費に関しては、物件購入前に発生した物件調査のための交通費やセミナー代なども経費として計上できます。

これらの費用は、『開業費』として計上でき、物件を購入して開業した後5年以内であれば経費化できます。
そのため、領収書は絶対に捨てずにまとめて保管しておきましょう。
不動産投資に税理士は必要?

不動産投資に強い優秀な税理士と出会えると、不動産投資で成功する確率はグッと上がります。
ここでは、その理由について解説します。
結論から言うと、税金に関する知識が乏しいと不動産投資で大きく損をする可能性が高いからです。

例えば、次のようなリスクが考えられます。
- メリットのある税制を知らなかったばかりに高い税金を支払ってしまう
- 知識が乏しかったために節税対策が裏目に出て追徴課税される
- 相続対策の知識がなかったために相続で資産の多くを失う
独学で知識を身につけようとすると、失敗する可能性も高く、結局、「初めから税理士に依頼したほうが安上がりだった」ということもよくあるのです。
では、実際に税理士はどんな仕事をしているのでしょうか?
税理士とは、企業や個人の税務を担当する税金の専門家で、税理士になるには国家資格が必要です。

不動産投資で実際に税理士が行う主な業務には次のようなものがあります。
- 確定申告
- 相続対策
- 節税
- 消費税還付
- 不動産投資のコンサルティング
確定申告
不動産投資では、家賃収入や売却益などが発生したら、その収入に対して納税義務が発生します。
確定申告は、どれだけの売り上げがあり、その売り上げを作るためにどれだけの経費がかかったかを申告するものです。

同じ売上でも、経費が大きくなると利益が圧縮され、所得税額が少なくなります。
確定申告は自分でもすることができますが、損をしないためにも税理士にアドバイスをもらった方がいいでしょう。
なお、「確定申告に関して詳しく知りたい」という方は、以下の記事を参考にすると良いでしょう。
相続対策
不動産投資では不動産を所有することになるので、その資産額が相続税の課税対象になることがあります。
相続税は課税強化される傾向にあるので、相続対策のニーズはとても高いです。


不動産は資産額が高いため、相続対策の仕方で結果が大きく異なってきます。
税理士の力を借りて相続対策をすることで、相続税が膨らむのを防ぐことができるのです。
節税
不動産投資には節税のノウハウがいくつもあります。
例えば、資産管理会社を設立することで得られる節税メリットや、相続時精算課税といった相続対策や節税対策にも活用できる制度もあります。


消費税還付
消費税還付とは、受取消費税が支払消費税を超える場合に、消費税の還付を受けられる仕組みのことです。
消費税に関しては、売上が住宅の家賃収入(消費税非課税売上)だけの投資家は非課税事業者となりますが、課税売上が1,000万円を超えると課税事業者になります。
また、不動産の購入価格にも消費税がかかります。
不動産の購入費用にかかる消費税は数百万円になることも多いので、消費税還付だけでも大きな節税効果があります。


不動産投資のコンサルティング
今までご紹介したものは、不動産投資に強い税理士であれば、日常業務として携わっているものばかりです。
これらの業務に精通している税理士は、不動産投資そのものに関する知識やノウハウも豊富なことが多く、それらを踏まえてコンサルティングに近いことをしている税理士もいます。
そのため、資金調達やキャッシュフローの計算など、税務とは直接関係ないことでも不動産投資についてアドバイスをもらえることがあります。


不動産投資で税理士を活用するメリット・デメリット






ここでは、税理士に依頼するメリット・デメリットをご紹介するので、税理士に依頼するかどうかの判断材料として、ぜひ参考にしてみてください。
税理士を活用するメリット
- 煩雑な税務を任せられて手間を省ける
- 税務調査のリスクが低くなる
- 節税メリットを最大化できる
- 不動産投資の経営状態やお金の流れを把握できる
- 金融機関の融資審査に通りやすくなる
①複雑な税務を任せられて手間を省ける
慣れていない方にとっては、会計ソフトへの入力や数字の計算、確定申告書を作成する作業はとても難しく感じるものです。
これらの作業に関して、税理士にアドバイスをもらえたり、作業自体を依頼できたりすると大きな負担軽減になりますね。


②税務調査のリスクが低くなる
きちんとした税務の知識がないまま自分で確定申告を行ったりすると、書類上の不備がなくても、税務署の判断との食い違いが生じることもあります。




税理士に依頼すると、税務署の判断基準に照らした申告書を作成できるので、指摘が入って税務調査の対象になったり、税金を多く支払うリスクを回避できます。
仮に、税務調査や問い合わせがあっても、税理士が関与していることでスムーズに対応できるでしょう。
③節税メリットを最大化できる
不動産にはさまざまな税制上の特例などがあり、それらを上手に活用することで節税することができます。
ただ、それらは自動的に適用されることはなく、自分で申告する必要があります。


税理士は税の専門家ですから、当然こういった特例にも精通しています。
税理士から節税の提案を受けることで、節税のチャンスを逃す心配がなくなります。
④不動産投資の経営状態やお金の流れを把握できる
長期的な視点で見ても、税理士を活用することにはメリットがあります。
たとえ、自分で確定申告を出来たとしても、年間を通じた経営状態について把握するのはなかなか難しいものです。
特に、不動産投資においてはキャッシュフローが重要になってきますが、税理士が関与していると、客観的なデータとして経営状態やお金の流れを把握しやすくなります。
⑤金融機関の融資審査に通りやすくなる
税理士が関与している決算書や申告書は、金融機関からも信頼されやすいです。
そのため、経営状態が健全であることを伝えるために税理士を活用するのはとても有効です。
特に、不動産投資は金融機関からの融資が前提になることも多いので、融資審査に有利になる環境を作ることはメリットが大きいと言えるでしょう。
不動産投資において税理士を活用するデメリット
- 顧問料がかかる
- 税理士によって仕事の質や対応が違う
- 料金面のトラブル
①顧問料がかかる
税理士に仕事を依頼する時には、税理士と顧問契約を結ぶ必要があります。
当然ながら、顧問料も発生します。
②税理士によって仕事の質や対応が違う
実は、税理士にも得意分野があります。
同じように税務を担当していても、「どんな業種を担当してきたか?」「これまでの経験や本人の感心」などによって得意分野が異なります。


また、税理士として働くには国家資格が必要ですが、資格があるからと言って全員が有能とは限りません。
人間的な資質によって対応が良くないということもあるようです。


③料金面のトラブル
税理士と顧問契約を結ぶ際は、契約内容をきちんと確認しましょう。
業務内容によっては、オプションサービスという扱いになり、別料金が発生することもあります。


税理士としっかりとした信頼関係を築くためにも、顧問契約の内容は締結前に入念にチェックしましょう。
不動産投資における優秀な税理士の条件とは?






具体的に、優秀な税理士の条件をあげると次のようになります。
- 実績があるか
- 特殊技能があるか
- 融通が利くか
実績があるか
当然ですが、実績のない税理士に依頼するのはおすすめできません。




特殊技能があるか
法人を使って不動産を購入した場合、適切に申請を行えば消費税分の還付を受けることができます。
しかし、その申請方法は複雑で、手順を誤ると還付を受けることは絶対にできません。
ただ、消費税還付の申請は、素人はもちろん、普通の税理士でも対応できないほど複雑な処理です。
さらに、不動産の消費税還付に対応できる税理士が少ないのが実情です。
それでも、消費税還付は合法的に節税できる効果的な方法で、金額も大きくなります。


融通が利くか
不動産投資で発生する費用の中には、経費計上することで節税できるものもたくさんあります。
そのため、経費計上できるか判断に迷う項目に関して気軽に相談ができ、柔軟に対応してくれるかどうかも税理士選びの重要なポイントになります。




特に、法人で不動産投資を行い消費税還付まで税理士に依頼したいのなら、対応できる税理士が近隣にいるとは限りません。
その場合は、遠方であっても、適切な対応ができる税理士に依頼すべきでしょう。
また、税理士自身が自ら不動産投資をしている場合、不動産投資に関する悩みを理解してもらいやすかったり、判断に迷うような細かい部分も理解した上で相談できるので、心強いでしょう。
不動産投資における税理士選びで絶対にやってはいけない方法


税理士の腕次第で、不動産投資の利益が大きく変わってくることはご理解いただけたと思います。
ここでは、不動産投資をする際に絶対にやってはいけない税理士の選び方についてご紹介します。


- 親の代から依頼している税理士
- ネットで見つけた顧問料が安い税理士
親の代から依頼している税理士
親から不動産を相続した場合、税理士も親の代から依頼している人に顧問をお願いする場合が多いと思います。
しかし、そんな安易な選び方はおすすめできません。




ただ、まったく当てはまらない場合は、一度、顧問契約を継続するか検討したほうが良いでしょう。
特に、消費税還付に対応できる特殊技能を持つ税理士は数も少ないので、自分のニーズにあった税理士であるか見極める必要があるでしょう。
ネットで見つけた顧問料が安い税理士
税理士に顧問を依頼した場合の相場は、大体年に20~30万円程度です。
内訳としては次のようになります。
- 伝票入力などを全部任せた場合:15,000円/月+決算時に6ヶ月分
- 伝票入力などを自分で行う場合:11,000円/月+決算時に6ヶ月分
税理士の顧問料はかなり大きな出費ですが、価格のみで税理士を選ぶのは得策ではありません。
仮にネットなどで、相場から大きく外れる顧問料を提示している税理士を見つけたとしてもすぐに飛びつくようなことはしないことです。




そのため、希望通りの対応をしてもらえるかをきちんと見極める必要があるでしょう。


不動産投資に強い税理士の探し方


不動産投資に強い優秀な税理士の条件は先ほどご紹介しました。
では、『不動産投資に強い税理士に出会う方法』としては、どのような手段が考えられるのでしょうか?
最後に、不動産投資に強い税理士を見つける方法をいくつかご紹介します。


- 税理士紹介サイトを利用する
- ネットで検索してみる
- 紹介してもらう
税理士紹介サイトを利用する
ネット上には、「税理士紹介サイト」というものがあります。


不動産投資に強いかどうかという観点からの絞り込みも可能なので、手早く不動産投資に強い税理士を見つけ出すことができます。
※「おすすめの税理士紹介サイトが知りたい」という方は、下記をチェック↓↓
ネットで検索してみる
税理士が集客のために広告を出すことはすでに自由化されています。
そのため、集客に熱心な税理士などは、ホームページを持っていることも珍しくありません。
自分自身を紹介するホームページなので、良いことばかり書かれていることがほとんどですが、それでも、専門や得意分野、実績を知る手掛かりにはなるでしょう。


ネット検索の注意点としては、検索エンジン対策に長けているサイトが上位表示されるので、表示順位が税理士の実力と比例するとは限らないことです。
あくまで、情報収集の手段としてネットを活用しましょう。
紹介してもらう
不動産投資をしている人が知り合いにいるならば、すでに税理士に依頼している可能性があります。
その人が依頼している税理士に不満を持っていないなら、紹介してもらうのも良いでしょう。
また、投資家でなくても、会社経営をしている人が依頼している税理士がいるならば、その税理士が不動産投資に強いかどうか尋ねてみるのも一つの方法です。


ちなみに、年配のベテラン税理士にはあまり該当しませんが、若い世代の税理士であればネットを使って情報発信している方も多いです。
税理士などの士業は、個人のブランディングが大切なので、ブログやSNSで情報発信している場合は、その情報も判断材料になるでしょう。
まとめ
税理士を雇う事の大切さをご理解いただけたのではないでしょうか?
不動産投資において、どんな税理士に依頼するかはとても重要です。
しっかりとポイントを抑えて、不動産投資に強い税理士を見つけ出しましょう。