不動産投資で繰り上げ返済するメリットとは?仕組みや注意点も併せて解説

不動産投資である程度の収益が発生しだすと、『繰り上げ返済』を検討する方もいるのではないでしょうか?

不動産投資では、ローンを使いこなすことが必須スキルとも言われています!

そのため、繰り上げ返済が「不動産投資において有効な手段かどうか?」気になる方も多いでしょう。

そこで今回は、繰り上げ返済することのメリット・デメリット、繰り上げ返済の方法や注意点について詳しく解説していきます。

不動産投資における繰り上げ返済のメリット

不動産投資の繰り上げ返済のメリット
不動産投資において繰り上げ返済するメリットは、次の3つです!
メリット
  1. 金利上昇リスクに備えられる
  2. 支払利息を節約できる
  3. 資産形成のスピードを加速させることができる場合がある

上記の①と②は、おそらくどのような状況の方も享受できるメリットになります。

ただ、最後のメリットについては、「余裕資金があれば」というのが前提条件になってきます。

それぞれ詳しく解説します!

金利上昇リスクに備えられる

ローンを変動金利で借りた場合、金利が上昇すると毎月の返済額も増えてしまいます。

金利の上昇リスクに備えるには、「繰り上げ返済」をするか「元本を圧縮」するしかありません。

また、不動産投資では金利と利回りの差が利益になります。

今は空前の低金利と言われているから、繰り上げ返済の必要はないんじゃ…?
金利が上昇すると利回りと金利の差が急激に縮まってしまうので、絶対に安心はできません!

支払利息を節約できる

繰り上げ返済をすると、支払金利を減らすことが可能です。

-例-

例えば、借入期間30年、金利1.6%2,000万円のローンを利用した場合、1年後に100万円を繰り上げ返済すると、約56万円の支払金利を圧縮することができます。

ちなみに、繰り上げ返済を行う場合、同じ額を返済するなら返済時期が早いほど金利の節約効果は高まります!

先ほどの例をあげると、1年後に繰り上げ返済した場合、567.361円節約できますが、10年後に繰り上げ返済すると、359.981円となってしまいます。

また、毎月のローン返済は、元本部分と利息部分の合計額を返済していくことになりますが、利息部分は元本の金額によって計算されます。

そのため、借入額である元本が高額であるほど支払利息も高くなるのです。

繰り上げ返済は、全額が元本の返済に充てられるので、借入金が多い初期に繰り上げ返済したほうが節約効果は大きくなります。

資産形成のスピードを加速させることができる場合がある

一般的に不動産投資ローンは年収の6倍~8倍程度まで利用することができます。

仮に、年収500万円の方なら3,000万円~4,000万円が借入枠になりますね!

もし、借入枠を使い切ってしまった場合、不動産投資ローンは利用できなくなります。

このような場合に繰り上げ返済すると、借入余力が回復し、新たにローンを組むことができるようになります。

つまり、繰り上げ返済をしながら投資物件を買い増しし、資産形成のスピードを加速させることができるということです!

ただし、金融機関から融資を受けるには自己資金額も審査対象になるので、繰り上げ返済をして、現金が少なくなってしまうようなら、この方法で資産形成をするのは難しいでしょう。

不動産投資において繰り上げ返済するデメリット

不動産投資の繰り上げ返済のデメリット

ご覧のとおり、繰り上げ返済でローンの返済額を減らし、キャッシュフローを改善することができますが、デメリットもあるので、こちらも把握しておきましょう。

繰り上げ返済する際には、以下の点に注意が必要です!
デメリット
  1. 新たな不動産投資がやりにくくなる
  2. 突然の事態に対処しづらくなる

新たな不動産投資がやりにくくなる

不動産投資によって得られた収益を繰り上げ返済に充てた場合、その分、自己資金が少なくなるので、次の不動産に投資がしにくくなります。

投資用不動産を購入する場合、頭金だけでも物件価格の5%~10%ほどが必要と言われます。

そのため、繰り上げ返済をする際は、次の投資資金を加味して判断するようにしましょう。

突然の事態に対処しづらくなる

所有する投資用不動産に空室や滞納が発生して、家賃収入が入ってこなくなると、余裕資金から生活費やローンの返済を行う必要があります。

また、入居者が退去した際には、内装リフォーム工事やエアコン、給湯器の交換を行う必要があり、費用が発生します。

繰り上げ返済して、余裕資金があまりにも少なくなってしまう様であれば、これらの不測の事態に備えられなくなります。

ちなみに、余裕資金とは「投資」と「生活」の2つの側面から考えられます!

不動産投資を追加で行う場合には、最低でも100万円前後は必要です。

生活の面では、1ヶ月分の生活費と再就職に要するまでの期間(3ヶ月~6ヶ月)で考えるといいでしょう。

この2つの資金を足した総額が余裕資金となります。

繰り上げ返済の種類を知って不動産投資に活用しよう

不動産投資の繰り上げ返済の種類

繰り上げ返済には、ローン残高を一括で返済する『全額繰り上げ返済』とローンの残高の一部だけを返済する『一部繰り上げ返済』があります。

全額一括で返済できたら1番良いですが、初期の段階で全額繰り上げ返済ができる人はほとんどいないでしょう。

そのため、ほとんどの人が一部繰り上げ返済をすることになると思います。

一部繰り上げ返済には、さらに2つの種類があるのでご紹介します!
一部繰り上げ返済の種類
  • 期間短縮型:毎月の返済額は変わらないまま、返済期間を短くする方法
  • 返済額軽減型:返済期間は変わらないまま、毎月の返済額を少なくする方法

期間短縮型と返済額軽減型のどちらがいいか迷う方もおられますが、一概にどちらが良いとは言えません。

そこで、それぞれのメリットが活かせるケースをご紹介します。

余裕資金があって早期完済を目指したい人は「期間短縮型」

「期間短縮型」は利息軽減効果が大きく、ローンの返済総額をぐっと減らすことができます。

ただし、1度短縮した期間は原則として延長できないので、金利上昇で返済額がアップしたり、何らかの事情で収入が減ってしまった場合は、返済できなくなる可能性があります。

そのため、手元の資金に余裕があり、返済総額を効率的に減らして早期完済を目指したい人に向いていているといえます。

将来の出費が気になる人は「返済額軽減型」

返済額軽減型は毎月の返済額が減るので、その分資金を貯蓄しやすくなります。

金利が上昇して返済額が増えた場合でも、返済額軽減型にすることで、返済額が増えるのを抑えることができます。

毎月の返済額を負担に思う方や、子どもの教育費など、将来の出費に備えて資金を用意しておきたい人は、返済額軽減型を選択するといいでしょう。

繰り上げ返済すると不動産投資の節税効果が減る?

不動産投資で繰り上げ返済すると節税効果が無くなる

繰り上げ返済で注意すべき点は、繰り上げ返済することで、不動産投資における節税や生命保険の効果が少なくなってしまうことです。

詳しく解説していきます!

不動産投資が節税になる理由とは?

まず、不動産投資が節税になる理由を考えてみましょう。

節税になるというのは、収入に対する税金が減少することです。

つまり、『赤字』を作ることと同じです!

不動産投資における節税とは、不動産投資で赤字を作り出して、給与所得などで源泉徴収される税金を還付できるということです。

不動産投資から得られる収益は、株式投資などの分離課税と違い「総合課税」なので、給与所得などの他の所得と合算できます。

そのため、給与所得から不動産投資の赤字分を減額できるというわけです!

しかし、節税を目的に不動産投資をすることはあまり賢明な方法ではありません。

なぜなら、「100万円払って30万円もらうようなもの」で、リスクを犯してまで行うほどのメリットがあるわけではないのです。

不動産投資において節税が有効なのは、「相続税対策のみ」と覚えておきましょう!

また、確定申告時に繰り上げ返済額は経費になりません

毎月のローン返済額でも、利息部分や繰り上げ返済に伴い金融機関に支払う手数料は経費計上できますが、元本は経費にならないのです。

繰り上げ返済が生命保険に与える影響とは?

まず、なぜ不動産投資に生命保険の効果があるのかを考えてみましょう。

不動産投資が生命保険代わりになる理由は、不動産投資ローンに生命保険がついているからです!

この生命保険のことを「団体信用生命保険」と言い、借主が死亡した場合に住宅ローンや不動産投資ローンの返済が保険から行われ、残債がゼロになるという保険です。

借主が死亡した場合、数千万円の保険金が支払われるので、銀行も安心して融資することができますし、遺族には無借金の家が残ります。

ところが、この生命保険の金額は、繰り上げ返済をすると減少してしまいます

団体信用保険は残債に対して支払われるものなので、繰り上げ返済により残債の額が減ってしまうと、それだけ保険金額も自動的に減少してしまうのです。

つまり、節税目的や生命保険代わりで不動産投資をすること自体がナンセンスということですか?
そうですね!上記のような理由で繰り上げ返済を迷っているなら、不動産投資をする目的をもう一度確認しましょう!

不動産投資で繰り上げ返済を選択するポイントとは?

不動産投資で繰り上げ返済を選択するポイント

先ほどもお話しした通り、余裕資金があるなら、繰り上げ返済しながら買い増ししていくのがベストな不動産投資方法と言えます。

ただ、余裕資金が限られていて、「繰り上げ返済か買い増しのどちらかしかできない…」と言う場合は、どちらにするか悩みますよね。

どちらを選ぶかは、不動産投資の目的によっても違ってきます!

ここでは、不動産投資で繰り上げ返済を選択すべきかのポイントについて解説します。

ずばり、繰り上げ返済をするかどうか考えるときのポイントは、『金利』『利回り』にあります。

なぜなら、不動産投資は、金利と利回りの差が利益になるからです!

そのため、利回りと金利の差があまりない(利益が少ない)場合は、繰り上げ返済を検討した方が良いでしょう。

逆に、低い金利で借り入れができ、高利回りで運用できているなら、繰り上げ返済をするより、余裕資金を蓄え、買い増しをした方が効率よく資産形成ができます。

低金利時代を活かして上手に不動産投資しよう!

現在は低金利の時代です。

不動産投資をしている方の中には、金利1~2%で融資を受けられている方もいるでしょう。

この場合、繰り上げ返済をしてしまうと、せっかく安く借りられた融資先へ余剰資金を充てていることになり、投資効率は縮小してしまいます。

これに対して、仮に金利1%で融資を受けて新たな不動産に投資したとします!
利回り相場
  • 首都圏の新築区分マンションは3~4%
  • 首都圏の新築アパートであれば6%前後
  • 地方のアパートは9~14%
  • 地方の戸建ては14~19%

各物件種別の利回り相場は上記のようになるので、買い増しした方がはるかに利益が上がることが分かりますね。

金利1~2%で融資を受けて繰り上げ返済をするのは、「私は2%以上のお金の運用はできません」と宣言しているようなものです!

果たして、それが本当か?冷静に考える必要があるでしょう。

まとめ

結論から言うと、この低金利の時代に繰り上げ返済をするメリットはあまりないです。

不動産投資はスケールメリットが大きい投資方法です。

2%程度の金利なら、それを繰り上げ返済して節約するより、買い増しして投資規模を拡大した方が、安定した経営をできる可能性が高いでしょう。

なお、不動産投資ローンについて以下の記事で詳しくまとめているので、良ければ参考にしてみてください!

不動産投資ローンについて覚えておくべき7つのポイント

2018年9月28日

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