不動産投資は、数ある投資の中でも、「比較的デメリットの少ない投資方法」だと言われています。

ただ、不動産投資にも考慮しておくべきデメリットはあります。
実際、不動産投資で大損をする人も一定数いるので、不動産投資におけるデメリットは、始める前にしっかりと押さえておくべきです。
そこで今回は、不動産投資におけるデメリットと失敗する原因について徹底解説していきたいと思います。
目次
不動産投資を始める前に知っておくべきデメリット:経済的リスク

不動産投資でまず考慮すべきは、『経済的リスク』です。
中でも次の3つは、デメリットとして最低限押さえておかなければなりません。
- 金利上昇のリスク
- 税金リスク
- 増税リスク

金利上昇リスク
多くの人が不動産に投資する際に、金融機関から融資を受けてローンを組むと思います。
その際に、「金利が将来上昇するかもしれない」ということを想定しておく必要があります。

市場の動向によってこの2つを上手に使い分けないと、予想以上にたくさんの出費を出してしまう可能性があるので注意しましょう。
固定金利と変動金利のメリット・デメリットをまとめると次のようになります。
メリット | デメリット | |
---|---|---|
変動金利 | ・固定金利より金利が低い ・金利が上昇しなければ低金利を享受できる | ・金利が上昇するリスクがある ・金利が上昇すれば返済が苦しくなる |
固定金利 | ・金利が固定されている安心感がある ・収支計画が立てやすい | ・変動金利より金利が高い ・低金利で推移すれば変動金利より返済額が増える |

なお、「低金利で融資を受けるコツ」について、以下の記事で解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。
税金リスク
不動産投資には、物件の購入・運用・売却というステップがありますが、それぞれのステップで税金が発生します。
このことを知らないと、思わぬ出費となり、キャッシュフローが赤字になることもあります。


- 購入時の税金:取得税etc
- 運用中の税金:固定資産税etc
- 売却時の税金:譲渡所得税etc
これらの税金は、日本で不動産投資するなら絶対に納めなければなりません。


不動産を購入する前に税金の種類や納税額をしっかりと把握しておきましょう。
増税リスク
「消費税が増税される前に不動産を購入したい」と考えている人も多いのではないでしょうか?
ただ、必ずしも増税前に不動産を購入したほうがいいということではありません。




実際、消費税が8%に増税された時には、増税後に物件価格が値下がりしたというケースもあります。
不動産投資を実際に始めた時に生じるデメリット:運用リスク




転売なら話は別ですが、多くの人が購入後10年以上に渡ってその物件を運用していくことになります。
その長い期間に想定できない問題が起こり、思わぬ支出が発生することもあるでしょう。
ここでは、不動産購入後に発生するリスクについて考えていきます。


- 空室リスク
- 家賃滞納リスク
- 地価下落リスク
空室リスク
投資用マンションやアパートの場合、当然ですが、入居者が現れないと収入はありません。


また、満室保証などがついた物件は、その保証の適用期間が入居日から40日以降なんてこともあります。
そうなると、入居当日から満室であっても、最初の40日間はまったく賃料が入らないことになります。
物件の空室率が高い場合、家賃保証などを利用することになりますが、そこにもリスクがあることは忘れないでください。
家賃滞納リスク
家賃滞納リスクと聞いても、あまりピンと人も多いのではないでしょうか?




その理由として、日本の法律が居住者よりの内容であることがあげられます。
日本の法律は、居住者を保護する要素が強いため、家賃滞納者の中には、半年以上も家賃を払わずに居座るケースもあります。




最終手段として「訴訟」を起こすこともできますが、そうなると、すぐに家賃を回収できないばかりか、裁判費用などもかかり、費用が2重に必要になるというリスクがあるのです。
そのため、家賃がそこまで高くない場合は、訴訟を起こすより本人と交渉したほうが良いでしょう。


また、家賃が払えなくなると、入居者が夜逃げする可能性も考えられます。
夜逃げされた場合、次のような作業を行う必要があります。
- 夜逃げした人間の家財道具の処理
- 連帯保証人への対応




また、夜逃げした場合は連帯保証人に返済してもらう旨を伝えることになりますが、夜逃げした人もその辺は考えているので、「ほとんどのケースで回収できない」と思っていたほうが良いでしょう。
地価下落リスク
日本の人口が減少していることは多くの人が知っていると思いますが、減少スピードがどのくらいのものかご存知ですか?
驚くことに、国連が発表しているデータでは、2100年の日本の人口は35%減の8,300万人になると予想されています。
そのため、不動産投資においては、次のような事態が起こると予想されます。
- 地価が低下していく
- 賃貸の需要が減っていく


また、それにともない、空室率の増加や家賃収入の減少などが問題になるでしょう。
不動産投資を辞める時に予想されるデメリット:建物損壊リスク


建物は経年劣化するものです。
そのため、老朽化すると「修繕」が必要になります。
また、日本が災害が多いなので、それらの災害のリスクを考え、できる限り対策を練っておくことも大切です。


- 修繕リスク
- 地震リスク
修繕リスク
新築の物件を購入した場合でも、早くて数年後には修繕費用がかかってきます。
中古の場合だと、購入直後に修繕が必要になることもあります。
特に、賃貸物件の場合だと、入居者にとっては自分の所有する家ではないので、適当に使われて住宅が痛むスピードが速くなることが多いです。
そのため、敷金以外に費用が発生することがあります。


また、綺麗に使用していても以下の修繕は発生します。
- 屋根・外壁の修繕(戸建・アパート)
- 給湯器の交換
- 配管設備の交換


また、修繕の規模が大きくなれば大きくなるほど費用もかかるので、積立だけでは足りなくなる可能性があることを念頭に入れて資金計画を立てましょう。
地震リスク
災害の中でも特に注意を払っておくべきものが『地震』です。
日本は、言わずと知れた地震大国です。


そのため、リスクヘッジのためにも保険に加入することをおすすめします。
ただ、火災保険は地震による被害が対象外のこともあるので、火災保険に加入する場合は保障内容をしっかりと確認しましょう。
不動産投資の失敗はどんなデメリットがネックになるのか?


不動産投資の失敗は、どんなデメリットがネックになるのでしょうか?
不動産投資における失敗を、「不動産投資が続けられなくなること」と想定して、どんなデメリットが失敗の要因になるのか解説していきます。


- 収益性に影響するほどの高金利で購入してしまう
- 入居者がつきにくい地域の物件を購入してしまう
- 管理がきちんとなされていない激安物件を購入してコストがかかる
失敗理由その1:収益性に影響するほどの高金利で購入してしまう
不動産投資で失敗する原因で特に多いのが、『ローンの返済ができなくなる』というものです。
レバレッジをかけた投資ができるのは不動産投資のメリットの1つですが、借入金が大きくなりすぎると、ローン返済が大変というデメリットになってしまいます。
また、物件の利回りから借入金利を差し引いた数値をイールドギャップと言います。


そのため、ローンを組むときは返済計画をしっかりと立てて、「ローン返済額がいくらまでであればデメリットを回避して利益を享受できるのか?」、しっかりと考えましょう。
失敗理由その2:入居者がつきにくい地域の物件を購入してしまう
「老後の資産形成のため」という目的ばかりに目がいき、物件エリアのことをよく考えずにいると、不動産会社から入居者が付きにくい地域の物件を買わされてしまう可能性が高いです。
入居者が付かない場合は、家賃を下げざるを得なくなり利回りが低下します。
また、あまりにもニーズがない地域だと、入居者が見つからないばかりか売却すらできない状況になり、赤字を垂れ流すことになります。


失敗理由その3:管理がきちんとなされていない激安物件を購入してコストがかかる
不動産は、管理状況によって資産価値が大きく変わってきます。


激安マンションの中には、管理組合による管理が機能していないものもあります。
こういったマンションは、大規模修繕をすることもないまま、資産価値が下がる一方です。
そのため、物件を選ぶ際は、『管理状況』にも目を向けましょう。
まとめ:不動産投資のデメリットを回避し失敗しないために
不動産投資の成否は「不動産投資を始める前に決まる」と言ってもいいくらい、情報収集や計画、予測などの準備が大切です。
そのため、すでにめぼしい物件を見つけていて、不動産投資を考えているなら、その物件を実際に見に行ってみましょう。


また、購入を検討している物件は、必ず内見をしましょう。
自分の目で確かめられることは、しっかりと確かめることが不動産投資で成功するための第一歩と言えます。